2008 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属族触媒を用いた有機ヘテロ元素化学反応の体系化
Project/Area Number |
16109001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 雅彦 Tohoku University, 原子分子材料科学高等研究機構, 教授 (30158117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 亮 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (20359532)
西村 良夫 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60431516)
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Keywords | 遷移金属 / イオウ / リン / 触媒 / 有機合成 / フルオロベンゼン / 芳香族スルフイド |
Research Abstract |
有機イオウ・リン化合物の効率的合成を行う目的で, 遷移金属触媒存在下でジスルフィドS-S結合とジホスフィンP-P結合開羅を伴う単結合メタセシス反応と付加反応を広くスクリーニングした. あわせて成果を総括して体系化した. C-H結合を活性化し, S-S結合を開裂してメタセシスによるC-S結合生成を行った. なかでも, a-フェニルケトンがアルキルチオ化される反応を詳細に検討した. C-F結合を活性化する有機イオウあるいはリン化合物の合成をさらに発展させた. その結果, S-S結合とP-P結合の反応が類似していることを示した. 酸フッ化物の活性化が行えることを示し, ジスルフィドとの反応でチオエステル, ジホスフィンではボスフィノエステルを与えることを見い出した. P-P結合を活性化する付加反応を検討した. アレンとの反応では2-ボスフィノ-2-アルケンを与えた. また,カルボニル付加によって, 一挙にC-PとO-P結合を生成できることがわかった. 5年間の研究を総括して, 遷移金属触媒反応論的な体系化を行った. 要点は以下の通りである. 1) イオウ・リン反応剤の付加反応によってC-SあるいはC-P結合生成が実施可能である. 2) 単結合の切断と生成を含む単結合メタセシス反応が有効に機能する. 3) その結果として, C-H結合をC-S結合に直接変換する反応を開発した. 4) 触媒活性が高く, 平衡反応になる例を多く見出した. 5), 周期表で隣接した元素であるイオウとリンの化学を同じく隣接元素であるロジウムとパラジウムで展開できる. 6) 周期表の関係を利用することである程度合理的に新しい反応の開発ができる.
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Research Products
(9 results)