2004 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球のホメオスターシスと活性化の制御機構の研究
Project/Area Number |
16109004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高津 聖志 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10242116)
田村 敏生 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40291306)
紅露 拓 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90372424)
刈米 アイ 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50114450)
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Keywords | IL-5 / Bリンパ球 / B-1細胞 / IgA / クラススイッチ組換え / 結核菌 / Lnk / APS |
Research Abstract |
本研究はBリンパ球におけるIL-5およびLnkアダプター分子の機能を解析することにより、リンパ球のホメオスターシスと活性化の制御機構を明らかにすることを目的としている。平成16年度においては以下の結果を得た。 (1)IL-5によるBリンパ球ホメオスターシス制御に関して (1)試験管内で血球系列マーカー陰性前駆細胞から分化させたプロB細胞をSCIDマウスに移植する系を確立し、IL-5がBリンパ球分化のきわめて初期の段階からB-1細胞、とりわけIgA産生細胞への分化に関与しうることを示した。(2)腹腔B-1細胞の維持・活性化に必要なIL-5が非血球系細胞から分泌されることをRAG-2欠損マウス、TCRβ/TCR_γ欠損マウスおよびW/W^vマウスを用いて明らかにした。(3)CD38+IL-5刺激によるB-2細胞のIgG1クラススイッチはAIDの発現増強を伴うが、この過程にはクロマチンリモデリングが重要であることをヒストン脱アセチル化阻害剤トリコスタチンAを用いて示した。また、CD38+8-メルカプトグアノシン+IL-4刺激時にはAIDの発現およびgermline γ1 transcriptが誘導されるにもかかわらずクラススイッチが起こらないことからAIDの機能を補助する分子が必要であることを初めて示した。(3)結核菌由来ペプチドPeptide25(P25)特異的T細胞のTh1細胞への分化時に転写因子t-betの発現上昇がIFN_<-γ>非依存性に起こることをIFN_<-γ>欠損およびSTAT1欠損マウスを用いて示した。また、P25特異的TCRに対する抗イディオタイプモノクローナル抗体を樹立した。 (2)Lnkファミリー分子によるBリンパ球ホメオスターシス制御に関して (1)Lnk欠損により機能的な造血幹細胞が著増すること、個々の細胞あたりの骨髄再構築能も一部の幹細胞で充進することを明らかにした。(2)Lnkファミリー蛋白質APSの欠損により腹腔B-1細胞が増加し胸腺非依存性抗原に対する抗体産生が亢進すること、逆にAPS過剰発現によりB-1細胞の減少とB細胞受容体刺激依存性増殖が障害されること、APSがアクチン細胞骨格制御を通しB細胞機能を負に制御することを示した。
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Research Products
(12 results)