2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい情報伝達タンパク質研究から迫る咬合と脳機能の関連
Project/Area Number |
16109010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 隆 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (10264053)
竹内 弘 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70304813)
松田 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40291520)
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Keywords | GABA_A受容体 / PRIP / 三叉神経 / ノックアウトマウス / リン酸化 / ベンゾジアゼピン系薬剤 / 咬合 |
Research Abstract |
(1)PRIP-1/PRIP-2のダブルノックアウトマウス(DKO)の作製を完了し、行動学的解析を行った。DKOは自発運動が非常に低下しており、運動調節がうまく行えなかった。また、ベンゾジアゼピン系薬剤(ターゲットはGABA_A受容体のα-およびγ-サブユニット)が無効であった。培養ニューロンを用いて、GABAアゴニストやベンゾジアゼピン拮抗薬を用いたリガンド結合実験を行ったところ、GABAアゴニスト結合量は増加していたが、ベンゾジアゼピン拮抗薬の結合量は低下しており、γ-サブユニットの含量の少ないGABA_A受容体が多く発現していることを示唆した。更にはニューロンの電気生理学的解析においてもリガンド結合実験で得られた結果と一致する結果を得た。COS細胞に、GABA_A受容体の各サブユニット遺伝子を発現させ、膜表面に発現した受容体を定量化したところ、PRIP遺伝子の導入によって細胞表面に発現する受容体量が減少し、上述のDKOマウスの多面的解析結果を支持するものであった。 (2)DKOではGABA_A受容体β-サブユニットのリン酸化程度が著しく低下していた。この現象を説明するために脳抽出液のリン酸化酵素活性には違いは無いものの、脱リン酸化酵素活性が高くなっていることを突き止めた。これまでにPRIPと脱リン酸化酵素との結合や活性調節に関して得られた結果などを踏まえて、PRIPはGABA_A受容体に対して脱リン酸化酵素の足場として働いていることを解明した。 (3)小動物に長期に亘って咬合不全を起こすための手段を検討した。通常食とそれを粉にした餌を与えようとしたが、「粉の餌」はラットもマウスもあまり食べなかったので、食事量は変わらずに咬合不全にするような手段を検討しており、次年度の研究に備えている。 (4)野生型とDKOマウスの三叉神経中脳路核のGABA_A受容体の機能解析を行うように準備が整った。
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Research Products
(6 results)