2005 Fiscal Year Annual Research Report
新しい情報伝達タンパク質研究から迫る咬合と脳機能の関連
Project/Area Number |
16109010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平田 雅人 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60136471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 隆 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (10264053)
竹内 弘 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70304813)
松田 美穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40291520)
姜 英男 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50177755)
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Keywords | GABA_A受容体 / PRIP / 三叉神経 / ノックアウトマウス / リン酸化 / ベンゾジアゼピン系薬剤 / 咬合 |
Research Abstract |
1.PRIP1/-2のダブルノックアウトマウス(DKO)を用いた解析は、γサブユニット含量の少ないGABA_A受容体が発現していることを示唆した。PRIP分子がGABARAPとγサブユニットとの結合を阻害することを考えると、この現象は予想と反することであった。PRIPがβサブユニットと結合することがこの説明不可能な現象に関わっているのではないかと考え、この結合を阻害するようなペプチドを培養細胞株やニューロンに導入して、発現する受容体の分布やサブユニット構築について検討した。その結果、DKOで観察されたようなγサブユニット含量の少ないGABA_A受容体がペプチド導入によって観察された。この結果はPRIP分子はβサブユニットと結合することを介して、γサブユニットを含んだ受容体をニューロン膜上に運搬するのに必須の働きをしていることを示唆している。 2.脳由来神経成長因子(BDNF)は野生型ニューロンでは一過性のGABA_A受容体の活性上昇と引き続く活性低下が認められたが、DKOではGABA_A受容体活性が暫増した。この時間経過はβサブユニットのリン酸化程度の変化と良い相関を示した。またリガンド結合実験で得られたニューロン上の受容体量ともほぼ一致した。この結果はPRIPがGABA_A受容体に対して脱リン酸化酵素(PP1とPP2A)の足場として働き、βサブユニットのリン酸化レベルを調節して、クラスリン依存性の受容体内包化を調節した結果であることを示唆した。 3.大脳皮質バレル野における興奮伝導の時空間パターンの相違を検討し、DKOでは空間認知がよりシャープで、より早い情報処理が行われる可能性を見いだした。三叉神経中脳路核ニューロンについては、細胞体・軸索、及び、その投射を受ける運動ニューロンを含むスライス標本作成の準備を整えた。 4.DKOマウスの顎運動解析と口腔痛覚伝導を解析する準備を整えた。
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