2005 Fiscal Year Annual Research Report
「病を知るディジタルヒューマン」研究開発-医学応用のためのコンテンツ作り-
Project/Area Number |
16200005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牧之内 顕文 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (30221576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛松 省三 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40164008)
源田 悦夫 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (10161829)
尾下 真樹 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (20363400)
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Keywords | 感覚情報処理 / 脳構造 / 生理データ / ディジタルヒューマン / 歩行アニメーション / パーキンソン病 / 歩行シミュレーション |
Research Abstract |
本研究課題の最終目標は、脳神経疾患患者特有の運動障害を持つディジタルヒューマンを作り、データベース化することである。本年度の目標として、(1)光学式モーションキャプチャシステム、運動動作時ビデオ、下肢筋の表面筋電図データ、足圧計データをリアルタイムに同期させて、被験者の歩行動作とそれに伴う生理データとを同時に取得できるシステムを構築し、(2)健常者およびパーキンソン病患者を被験者として実験を行ない、システムの動作を確認することを掲げた。システム構築は目標どおり達成、実験を行なった。具体的には、健常者5人、軽中度パーキンソン病患者3人を対象として歩行実験を行い、 (1)モーションキャプチャによる患者の関節の動きのデータ (2)下肢筋の表面筋電図データ (3)足圧分布図による歩行時の荷重推移データ (4)デジタイザを用いた身体形状のデータ (5)ハイビジョン撮影および写真撮影による映像データ を取得するとともに、これらデータの統合のためのデータベース設計を行なった。 これにより、パーキンソン病患者の歩行と健常者の歩行とを比較するための歩行アニメーションと種々の生理データを統合するデータベース開発の準備が整った。また、取得したデータを元に、患者の歩行とそれに伴う筋放電量の変化をコンピュータグラフィックスで表現することを一部試行した。 一方、運動と脳内生理データ変化との関連を調べることを目的として、脳神経疾患患者の3次元脳構造とその上の時間変化する生理データを映像表示するための基礎的実験を行った。すなわち、種々の視覚(顔・表情認知と運動視)刺激および聴覚刺激時の正常被験者の脳の反応を事象関連電位と機能的MRIで解析した。また随意運動時の大脳・小脳・大脳基底核のネットワーク処理を解析した。 本研究の最終年度である次年度には、上記成果をもとに、医学上の応用を目的とした「病を知るディジタルヒューマン」を作成するとともに歩行の特徴と生理データとの関連を分析・表示するためのシステム開発および脳構造と生理データの時間的変化の対応を検討する。
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Research Products
(8 results)