2004 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞発生ドメインマップの作製-グリア細胞機能多様性の細胞生物学的基盤
Project/Area Number |
16200028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
池中 一裕 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (00144527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 勝彦 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教授 (30152523)
等 誠司 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教授 (70300895)
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Keywords | Cre-loxP / タモキシフェン / 脊髄 / 運動ニューロン / オリゴデンドロサイト / アストロサイト / コリナージックニューロン / 前脳基底部 |
Research Abstract |
Olig2は、発生期の中枢神経系に特異的に発現する遺伝子で、脊髄では脳室層腹側部に限局して発現が始まる。この領域から運動ニューロン(MN)とオリゴデンドロサイト前駆細胞(OLP)が出現することから、pMN(-OL)ドメインとよばれる。pMNドメインの細胞が、MNとOLPのみに分化するのかそれ以外の細胞にも分化するのかは明らかではない。また、前脳領域でもOlig2の強い発現が認められるが、その細胞分化における機能は全く不明である。本研究では、Takebayashiらによって作製されたOlig2^<CreER>ノックインマウスとレポーターマウスをかけ合わせ、胎生期のマウスでタモキシフェン依存性時期特異的組み換えを誘導し、Olig2系譜細胞にレポーター分子(LacZやEGFP)を永続的に発現せしめてその細胞分化を解析した。 脊髄では、胎生中期(胎齢9.5)に組み換えを誘導すると、MNとOLPがレポーター分子を発現しており、これまでの報告どおりOlig2系譜の細胞がこれらの細胞に分化することが示された。これらは組み換えの時期に依存して、MNは早期のOlig2陽性細胞のみから分化し、一方OLPは胎齢後期になるほどレポーター分子を発現する細胞の割合が高くなった。さらに、GFAP陽性を示すアストロサイトや中心管周囲の上衣細胞にも、レポーターを発現する細胞が少なからず認められた。Olig2系譜細胞がこれらの細胞に分化することが始めて示された。一方、前脳領域のOlig2系譜細胞は、前脳基底部のコリナージックニューロンに分化する細胞があることも示された。 今年度の結果から、Olig2系譜の細胞はこれまで考えられていた以上に、多種類の細胞に分化することが明らかになりつつあり、今後はOlig2遺伝子による細胞分化調節機構を明らかにしたい。
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[Journal Article] Improved preservation of X-gal reaction product for electron micros copy using hydroxypropyl methacrylate.2005
Author(s)
Masahira, N., Ding, L., Takebayashi, H., Shimizu.K., Ikenaka, K., Ono, K.
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Journal Title
Neurosci.Lett. 374
Pages: 17-20
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