2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬物動態解析を目的とした臨床ゲノム情報システムの開発
Project/Area Number |
16200038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 博史 東京大学, 医学部附属病院, 科学技術振興特任教員(特任教授) (30194640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 康綱 埼玉医学大学, 附属病院, 教授 (20235279)
小野木 雄三 東京大学, 医学部附属病院, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (90233593)
小出 大介 東京大学, 医学部附属病院, 科学技術振興特任教員(特任助教授) (50313143)
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Keywords | 薬物動態解析 / CeLLML / パスウエイ解析 / SNP / 抗癌剤 / 個別化治療 / 塩酸イリノテカン / シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は、CellMLを基本にパスウェイ表現による抗癌剤の薬物動態モデル作成ツールを試作した。パスウェイ上の各ノードは変数(名前、単位、初期値)、定数(名前、単位、値)、微分方程式、代入計算式の設定を可能とし、治療関連情報として身長、体重、薬物投与量(絶対量)、薬物投与時間、コメント、病名、併用薬名、腎機能、ビリルビン値、患者のSNPs情報(番号、DNA鎖1の状態、DNA鎖2の状態)、SNPs基本情報(番号、DNA鎖1の状態、DNA鎖2の状態、活性値)情報入力GUlを作成した。また、微分方程式の基本型として、血流はFickの法則、酵素反応はMichaelis-Menten方程式、膜透過はFick+Michaelis-Menten型を使用した。反応速度定数を未定係数としてもつ微分方程式系を定義し、UGT1A1の遺伝多型より酵素UGT1A1についてUGT1A1+SN-38->SN-38Gの反応速度定数、UGT1A1の量、野生型に対する多型の場合の比(多型の場合/野生型)を定義した。血流に関する反応速度定数は、細胞数比から各臓器の血液分布を、血液分布からは各臓器間の血流と腎クリアランスを算出し、さらに塩酸イリノテカン投与患者9例におけるグルクロン酸抱合酵素(UGT1A1)の遺伝子多型と薬物動態(未変化体とその代謝物)データを初期値として、シミュレーションモデルを試作した。次に、試作したモデルを検証するため、新たに塩酸イリノテカンの投与を受ける患者群を対象として遺伝子多型と薬物動態解析用のサンプリングを行った。計20〜30例を目標とし、現在14例から検体を採取した。これを基にパラメータ最適化手法の開発と遺伝子多型データを用いた治療前の個々の患者の薬物動態のシミュレーションを行い、薬剤の投与量やスケジュールを最適値決定法について検討した。
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Research Products
(1 results)