2006 Fiscal Year Annual Research Report
海洋鉄散布実験における海洋表層・低層大気での生物化学的応答
Project/Area Number |
16201003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津田 敦 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80217314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 光夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60203478)
小川 浩史 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50260518)
小畑 元 東京大学, 海洋研究所, 講師 (90334309)
武田 重信 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20334328)
小針 統 鹿児島大学, 水産学部, 助手 (60336328)
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Keywords | 海洋科学 / 鉄 / 珪藻 / 気候効果気体 / 鉄散布実験 / 水塊追跡 / 硫化ジメチル / 二酸化炭素隔離 |
Research Abstract |
2004年7月13日から8月27日間、散布航海を白鳳丸で研究代表者が主席研究員として行った。航海の研究テーマは全て、鉄散布実験をプラットホームとしており、乗船研究(本課題関係者15人)が基本的には一つの目的で参加した航海である。また、途中寄航中、散布域の観測を引き継いだのは米国の研究船Kilo Moanaであり(主席研究員Dr Mark Wells)、本船にも本課題関係者2人の研究者が乗船した国際共同研究である。鉄散布は2001年の実験とほぼ同海域(48N、166E)で行われ、約1.6トンの硫酸鉄を8×8km四方に、マーカー物質であるSFIとともに散布し、その後、水塊を追跡しながら、31日間にわたって生物・科学的応答を観測した。植物プランクトン量は増えたが初期値の3倍程度、サイズ組成もSEEDS、SERIESでは大型珪藻にシフトしたが、本実験では変わらず、シリカ濃度は実験期間を通じて30μM以上であった。前実験との反応の差は植物プランクトンを摂餌する動物プランクトン量の差に起因すると現在は結論している。2006年度は上記航海試料の分析を進めるとともに、10月に行われたPICES年次大会で北太平洋で行われた3つの実験のとりまとめが行ない(ポスターを含め10題以上の発表)、2002年実験に関しては特乗号をDeep-Sea Research誌において刊行し、2004年実験関しては現在特乗号同誌でとりまとめ中である。また、2006年度は太平洋亜熱帯海域における鉄の効果を検証する航海と実験を行い、現在詳細な結果は分折中であるが、黄砂などのダスト降下を想定した鉄とリンを加えたボトル実験では想定された窒素固定生物の増殖は認められなかった。
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Research Products
(8 results)