2007 Fiscal Year Annual Research Report
石西礁湖における有性生殖を利用したサンゴ礁再生技術の研究開発
Project/Area Number |
16201017
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
岡本 峰雄 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 准教授 (70345403)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 哲 九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (30112288)
|
Keywords | サンゴ再生 / 有性生殖 / セラミック着床具 / 白化 / 稚サンゴ / 着生海域 / 育成海域 / 継続管理型再生 |
Research Abstract |
1.サンゴ着床具と運用法の開発 礁湖北側リーフで再生成熟したミドリイシの幼生着生のため、新型着床具(2006瀬戸型と備前06型藻類増殖具)を2007年のサンゴの一斉産卵直前に名蔵湾に設置した。3ケ月後の回収で着床具1個に平均2群体の着生を確認した。06年に北側リーフで着生後礁湖南部に移動した着床具は、13-14ケ月段階で07白化に晒された。周囲のサンゴは白化でほぼ全滅したが、着床具のミドリイシ属は白化しなかった。26定点調査で、礁湖内のサンゴはほぼ全滅したが、北側リーフの被害は軽微であった。北側リーフが高温耐性(褐虫藻のDNA解析ではまだ検証できていない)を有したミドリイシ群集で再生し、新たな幼生供給源となったことになる。ここで産まれた幼生を名蔵湾で着生させ、静穏清浄な礁湖内で育成し、南部海域の移植再生で礁湖のサンゴを再生する案を策定した。 2.幼生の生残過程とサンゴ群集構造の変化の研究 礁湖南部の9実験区(900平方メートル)でサンゴ群集構造の経年変化、また06年6月から1歳サンゴ約800群体の個体追跡を行った。サンゴ群集は07白化でほぼ全滅し、1歳サンゴは1年で85%が死亡し、07白化でほぼ全滅した。礁湖内の多くのパッチリーフでは98,01,03,07白化でサンゴが段階的に死滅し、ガレキ化し稚サンゴを傷つけている。また礁湖全域でアウターリーフ上面にはサンゴが見られず(基準海面付近)、今後の侵食でリーフの防波堤機能が損なわれると判断した。石西礁湖では礁湖内の流れの上流に位置する南側リーフのサンゴ再生が急務と考える。
|
Research Products
(5 results)