2006 Fiscal Year Annual Research Report
新たな東地中海地域像の構築-民族・宗派対立と人間移動
Project/Area Number |
16201049
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
黒木 英充 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 正人 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (90242073)
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
栗田 禎子 千葉大学, 文学部, 教授 (10225261)
佐藤 幸男 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00162496)
佐原 徹哉 明治大学, 政治経済学部, 准教授 (70254125)
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Keywords | 地中海 / 民族問題 / 宗教・宗派問題 / 安全保障 / 近現代史 / イスラーム / 中東 / バルカン |
Research Abstract |
当該年度は、レバノン、パレスチナというアラブの東地中海地域に焦点を絞った研究を行い、国際ワークショップ・研究会を3回開催した。2006年7月8日、7月14日には連続国際ワークショップ「近代レバノンの歴史を考える」第1回、第2回を開催し、レバノンから招聘した歴史研究者2名が各回英語とアラビア語で報告、オスマン帝国時代のレバノン地域の特質、宗教的多様性、社会の動態、名望家政治の具体例につき、通訳を交えて参加者と活発に討議した。また12月8日には来日中のオランダ人研究者を招いて臨時の研究会「パレスチナ/イスラエルの地理情報学と地図」を開催し、様々な地図情報をもとにパレスチナ問題の空間的な把握の仕方について議論した。現在進行中のイスラエルによる入植活動・分離壁建設が、土地の高低差や水資源の占有・配分とも密接に関連していることが明らかとなった。一方、東地中海地域に関する研究のための基礎的資料の整備作業の一環として、「オスマン帝国時代の古地図デジタル化プロジェクト」を立ち上げ、ウェッブページでの公開を始めた。これによりオスマントルコ語による町村レベルまでの詳細な地名の探索が可能になった。http://www.aa.tufs.ac.jp/%7Ekuroki/jrp/osman_haritasi.html こうしたプロジェクトはアメリカなどで開始されているが、東地中海のオスマン帝国領に関するアラビア文字古地図のデジタル化は稀であり、日本では初のものである。古地図はさらにフランス語によるものも加えている。またオスマン歴史地理事典のテキスト入力・編集作業も継続し、古地図情報との統合による新たなデータベースづくりを目指している。
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Research Products
(28 results)