2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア現代女性史の研究:北東及び東南アジアにおける軍事主義とジェンダー
Project/Area Number |
16201053
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤目 ゆき 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (60222410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大越 愛子 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00223777)
南田 みどり 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (80116144)
古沢 希代子 東京女子大学, 文理学部, 助教授 (80308296)
今岡 良子 大阪外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50273735)
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Keywords | ベトナム戦争 / 枯葉剤 / アーリーン・アイゼン / チャン・ダン・コア / 米軍基地 / 米軍犯罪 / 岩国基地 / アジア現代女性史 |
Research Abstract |
主に三つの領域で研究実績を挙げた。 第一は、「ベトナム戦争と女性」という研究テーマの追求である。戦争下の女性・枯葉剤・ベトナム女性の国際移動という三つの論点を設定し、日本及び韓国在住のベトナム研究者との共同研究を行い、またベトナム・カンボジアでフィールドワークを行った。成果の一部は2007年3月に『アジア現代女性史』第三号に特集「ベトナム戦争と女性」として発表した。特集に収録した論文は、アーリーン・アイゼン「ベトナム戦争における女性と革命」、黄點順「ベトナム戦の被害女性に会って」、片山須美子「戦争の女性化-ベトナム戦争再考」、チャン・ダン・コア著/ブイ・ティ・ロアン解説/「母と子」・「四月の記憶」などである。 第二は、「在アジア米軍基地と女性」という研究テーマの追求である。2006年5月には海外研究協力者の金貴玉氏と韓国の平澤にある基地建設予定地の農村の共同調査を行った。6月には沖縄の人権団体から富田由美氏を講師として招き、研究会を開いた。9月には資料集『岩国基地と米軍犯罪-1966〜1998 新聞資料集成』を発行した。11月には山口県立大学の三宅義子氏の協力を得て岩国市で「基地と女性」に関するワークショップを開き、また基地周辺のフィールドワークを行った。 第三は、海外の重要文献を系統的に日本語訳し出版する取り組みである。アジア現代女性史シリーズ全10巻としてビルマ、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、台湾、中国(大陸)、韓国、モンゴルの10カ国・地域の女性史を明石書店から刊行する予定である。2006年度中にはビルマからタイへの人身売買を明らかにした『現代の奴隷制』、中国革命後の娼妓解放をとりあげた『中国における買売春根絶政策』の二冊を刊行した。またタイの民主化運動と女性、ビルマの軍事政権下の女性、韓国の離散家族、台湾女性の口述史など、4冊の図書の邦訳原稿が完成した。
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Research Products
(18 results)