2005 Fiscal Year Annual Research Report
美術に即した文化的・国家的自己同一性の追求・形成の研究-東南アジアから全アジアへ
Project/Area Number |
16202003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 裕充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50126017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 正 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40183090)
桝屋 友子 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (40300735)
秋山 光文 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60130861)
浅井 和春 青山学院大学, 文学部, 教授 (60132700)
後小路 雅弘 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (50359931)
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Keywords | アジア / 美術 / 国家 / 文化 / 自己同一性 / 近代化 / ヨーロッパ化 / 植民地化 |
Research Abstract |
平成17年度は、16年度から2年度にわたって継続してきた東京国立博物館収集東南アジア仏教彫刻スライド資料2万点のディジタル画像化、及びプリントアウトをすべて完了し、資料整理の基礎となる基本カード作成の準備を済ませた。並行して、データ整理を開始し、ほぼ2割ほどを終えるとともに、東博資料のデータの不備を解消し、画像資料をさらに充実させるべく、インドネシア調査を実施した。調査撮影対象は、ボロブドゥル遺跡やインドネシア国立博物館など約70個所、作品4千点に上り、データを再点検し、ディジタル画像資料3万点を追加した。 前年度の計画変更により延期した、絵画と工芸(陶磁)に絞った東南アジア現地調査については、仏教彫刻の中心地ではないシンガポールに限定して実施した。ただ、絵画については、予定どおり、シンガポール亞州文明博物館新収の中国絵画コレクション50数点の悉皆調査を行う一方、萌芽研究の際は工事中であったギャラリーの展示状況を確認し得たものの、陶磁については、担当者の事情により、来年度に繰り延べることとした。また、東アジアについては、中国伝統絵画を中心として、広州・マカオ・香港の各美術館・博物館で開催中の展覧会を調査し、故宮博物院・上海博物館・南京博物院などの所蔵優品による極めて質の高い展覧会や、ヨーロッパ現代美術の展覧会などが華南の中心都市で開催されるなど、本研究の課題が国内外に開かれた形で再編されつつある、中国の目覚ましい現状を確認することができた。 なお、予定していたシンガポール美術館やシンガポール国立大学NUS博物館などの調査、さらには、マレーシア国立美術館、ヴェトナム美術館、マニラ国立博物館などの組織的調査、及び東南アジアの美術学校や近代建築に関わる調査は、すべて次年度以降に繰り延べることとした。
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Research Products
(6 results)