Research Abstract |
研究期間最終年度として,以下の実績をあげた。 1,古代・中世荘園絵図原本のうち,各地の所蔵機関・教育委員会等と連携し,4件6点を,調書等に基づき調査し,現地調査を連動して行った。 2,写真専門家等と協働しながら,光学的機器等を利用した調査方法・観察記録の基準について見直し,提案した。 3,「伯耆国河村郡東郷荘下地中分絵図」に関して,分析に有効な村絵図等の調査・GPS装置を利用した現地調査などを継続的・精力的に進めた。 4,その成果を集約した「東郷荘総合情報閲覧システム」をDVDとして制作し配布した。 5,同システムについて,鳥取県,湯梨浜町と共催した講演会の主催,県内の高校,大学における授業参加,教材用TV番組の収録,放映など,各種の社会教育,学校教育の場で積極的に実践し,新聞,TV報道など大きな反響を得た。 6,荘園絵図の表現研究には,トレース図,釈文図の研究,作成,蓄積が決定的に重要であるとの認識に基づき,日本画模写専門家等と緊密な協働作業を行い,トレース図4点,釈文図8点を完成させた。 7,3次元空間情報表示システムを利用した「東京大学史料編纂所所蔵荘園絵図模本データベース」の改良を行い,地図情報機能を新たに追加し,諸情報のデータを再検討しながら,その対象を拡大した。 8,第3回中世荘園絵図ワークショップを東京大学史料編纂所荘園絵図プロジェクトと共催し,研究代表者,研究分担者が,最終年度である本年度の成果と今後の課題について総括し,参加者と討議を重ね研究を深めた。 9,紙媒体の公開方法を『日本荘園絵図聚影』釈文編1古代の編纂,出版(2007年9月,東京大学出版会)に集約した。 10,以上を含めた具体的な研究成果を,研究成果報告書にまとめ刊行した(2008年3月)。
|