2004 Fiscal Year Annual Research Report
実験考古学による遺跡発見器具の効力と資源利用に関する研究
Project/Area Number |
16202019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山田 昌久 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70210482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 昭 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70000502)
高瀬 克範 東京都立大学, 人文学部, 助手 (00347254)
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Keywords | 実験考古学 / 斧 / 丸木舟 / 木材利用 / 先史狩猟技術 / 解体技術 / 使用痕研究 / 骨角器 |
Research Abstract |
本年度の実験は、大きくは次の2項目を行った。(1)木材の加工に関する実験(山田)、(2)動物の狩猟活動・解体技術に関する実験(小野)、(3)それらの実験時に器具に生じる痕跡についての顕微鏡観察(山田・小野・高瀬)、をおこなった。 (1)では、磨製石斧によるスギの伐採実験と、石斧と鉄斧による6種の樹木の切断についての比較実験を行った。従来の考古学では、針葉樹の利用は鉄斧の使用によって可能になったと考えられていたが、石斧によっても十分伐採が可能であることが判明した。また鉄斧と石斧による効力比較実験ではクリ・オオヤマザクラ・ケヤキ・イタヤカエデ・ミズナラ・スギ・アカマツの6種について、3回ずつの切断実験を試みた。樹種によって加工のし易さや加工効果に違いがあることがデータ化された。関連項目として飛騨市宮川町での屋根板割についての調査を行った。 (2)ではシカに対しての石槍・石鏃射かけ実験を行った。石器が対象獣の皮・肉・骨へ与える効力について記録した。また、石器による解体実験を行った。各部位の肉や賢を取り除く作業を記録し、その際にどういう石器が有効化ということを追求した。実験に当たって、道具の扱い方のデータ、道具の損傷のデータを記録した。 (3)では、購入したデジタル顕微鏡と金属顕微鏡を用いての観察を行った。伐採実験では、クリなどの広葉樹伐採時と比較して、石斧表面に出来る使用痕石が強く表れることが分かった。解体実験では、抉り加工において彫器削片ににた剥離痕が生じた。また、使用痕が確認される部位が動作毎に集計された。 以上のような実験のほかに、以前から行っていた実験のデータ整理も行った。石斧による丸木舟製作の記録は、今後の丸木舟研究にとって有効な情報をもたらしたといえる。
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Research Products
(4 results)