2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16203011
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
岡田 章 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90152298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓼沼 宏一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50227112)
古澤 泰治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80272095)
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
今井 晴雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (10144396)
梶井 厚志 京都大学, 経済研究所, 教授 (80282325)
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Keywords | ゲーム理論 / 経済行動 / 動学ゲーム / 交渉ゲーム / 繰り返しゲーム / インセンティブ / 情報 / 環境 |
Research Abstract |
本研究では、ゲーム理論の先端的研究として(i)組織・市場・制度の動学ゲーム分析、(ii)知識・情報・インセンティブのゲーム分析、(iii)ゲーム理論の応用・政策研究、の三つの研究テーマを相互に関連づけながら、経済システムにおける制度、市場、組織、人間行動の間の相互依存関係を解明する。今年度は下記の研究実績を通じて、限定合理性や情報の不完全性、外部性などの要因が経済システムの変動と非効率性をもたらすメカニズムについて新たな知見を得た。 1.組織・市場・制度の動学ゲーム分析: 経済成長モデルにおける均衡の不決定性および高次元動学の研究を発展させ、Jess Benhabib(ニューヨーク大学)やTapan Mitra(コーネル大学)らと共同で複雑な経済変動が出現するための新しい条件を導出した。公共財の自発的供給の2次ジレンマに関するゲーム実験のデータを解析した。 2.知識・情報・インセンティブのゲーム分析 あいまいな情報に基づく戦略行動の理論分析を発展させ、非協力ゲームにおける非ベイズ的なあいまい情報に関する知識の戦略的効果の理論研究と、協力ゲームあるいはあいまいな情報下の意志決定理論における公理的分析を行った。ネットワーク外部性を持つ耐久消費財の独占価格付け問題を、動学コーディネーションゲームの均衡選択問題と関連付けながら分析した。 3.ゲーム理論の応用・政策研究 非線形効用関数を許す純粋交渉問題における提携形成の問題を非協力交渉モデルを用いて分析した。政策研究の基礎として衡平性と効率性が対立する状況における選択原理を考察し、交換経済モデルで衡平性第一=効率性第二原理および効率性第一=衡平性第二原理を満たす社会的順序の構成可能性を解明した。資源配分の社会的順序を構成するときに個人の選好に関してどれだけの情報を基礎とすれば、望ましい構成ルールが可能になるのかを明らかにした。自由貿易協定(FTA)の世界的形成過程をネットワーク形成ゲームの枠組みで分析した。
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Research Products
(7 results)