2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16203015
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
津谷 典子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (50217379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
速水 融 慶應義塾大学, 名誉教授 (40051164)
黒須 里美 麗澤大学, 外国語学部, 助教授 (20225296)
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Keywords | 人口統計 / 人口動態 / 近世・近代・現代 / 死亡・死因 / 出生 / 社会経済 / 世帯・家族 / 多変量解析 |
Research Abstract |
本研究は、近世から現代にいたる人口統計データの整備・入力、そしてそれを用いた人口変動パターンとその構造的要因の分析を目的とする。平成17年度は、(1)前年度に撮影した諏訪地方農村宗門改帳のマイクロフィルムから、史料の現代語訳および入力とデータ・リンクを行った。他の近世町村についてもデータ・ベース化を進めた。(2)戦前までの近代期および戦後期の政府人口統計データ入力と時系列データ・ベース構築についても、選定された統計データの入力を行い、戦前・戦後のマクロ人口統計データ・ベース構築を行った。この一部を用いて、戦後のわが国における出生率変化の人口学的背景に関する学術論文を刊行した。また、このデータの別の部分を用いて行った結婚と出生の地域性に関する分析の成果を、日本人口学会大会にて発表した。(3)さらに「府県統計書」データの整備・入力も行い、この情報を人口動態統計と組み合わせることにより、1918〜1919年のスペイン・インフルエンザに関する和文著書を刊行した。(4)宗門・人別改帳を用いた分析の第1として、前年度に作成したフラット・ファイルを基に、奥州二本松藩農村における地域経済変動と世帯状況の人口動態への影響について多変量解析を行った。この成果は、オックスフォード大学出版会より刊行された著書の1章、および米国社会科学史学会における2つの発表論文としてまとめた。さらに、出生に関する分析結果を、国際比較による共著書として出版すべく、執筆作業を完了した。また宗門・人別改帳を用いた研究の第2として、会津藩山村の人口と世帯変動に関する英文論文を刊行した。(5)現代日本の結婚と出生に関する分析として、1994年、2000年、2004年に実施された全国調査の個票データを用い、わが国における結婚と家族に関する多変量解析を行った。その成果は英文の学術論文として刊行し、また、わが国の出生率低下の政策的意味について、ジェンダーの視点から考察した和文論文を著書の1章として刊行した。
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