2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける共通市場の形成に伴う地域間リスク管理のための総合的経済政策
Project/Area Number |
16203019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
多和田 真 名古屋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10137028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昭夫 中央大学, 経済学部, 教授 (50149473)
酒井 泰弘 滋賀大学, 経済学部, 特任教授 (40093760)
大沼 あゆみ 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (60203874)
氷鉋 揚四郎 筑波大学, 大学院生命環境科学研究所, 教授 (90189762)
大川 昌幸 立命館大学, 経済学部, 教授 (50291761)
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Keywords | 自由貿易協定 / リスク管理 / 東アジア経済 / ゲームの理論 / 国際貿易理論 |
Research Abstract |
本研究課題は貿易研究グループ、リスク研究グループ、アジア研究グループの3つの側面から分析を進めている。昨年度に引き続いて今年度も各研究グループがそれぞれの立場から本研究課題に取り組みさらに、本年度はこれら研究グループの相互の交流を図ってきた。特に貿易研究のグループでは8月にオーストラリアのシドニーで開催された国際貿易の国際会議のオーガナイザーとして多和田と下村が参加し、また論文報告者としてそれ以外に大川が加わり、この会議に積極的な参加を行った。また12月には全体会議を開催して、グループ間の研究状況の報告と相互調整をはかった。各研究分担者は研究成果をかなり挙げつつあり、成果報告のための国際会議へ参加も昨年度と同様に本年度も積極的に行ってきた。また国際的専門誌への投稿も積極的に行い、かなりの論文数が受理されて、掲載予定となっている。 貿易研究グループは最適関税政策や自由貿易協定の問題についてゲーム論的な接近による戦略的政策に議論をベースに考察してきた。また、リスク研究グループはリスクと人間社会との間の相互依存関係を目標に、アジアにおける環境問題あるいは食品安全とリスク管理・リスク対応の問題について取り組んできた。アジア研究グループは東アジアにおける共通市場の強化・促進のためアジア共同体構築の可能性と集積の経済性やネットワークの経済性と地域経済発展から東アジア共通市場の形成を捉えるという課題に取り組んできた。今後は、貿易研究ではアジアの現状に照らし合わせて、共通市場形成のためのFTA締結の内生的メカニズムの分析について焦点を充てていく予定である。またリスク研究では文化・倫理を含めて多元的な観点からリスクのガバナンスの構造について考察を進める予定である。アジア研究においては、東アジア共同体の構築について、グローバル化に伴うリスク管理という観点から引き続いて考察を進めていく。そして、これらの研究を全体として取りまとめて研究書の刊行を目指す。
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Research Products
(32 results)