2006 Fiscal Year Annual Research Report
生活の質を持続的に向上させる政策評価方法の研究:理論と実証
Project/Area Number |
16203020
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
下村 研一 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (90252527)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白旗 慎吾 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (10037294)
福重 元嗣 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (10208936)
小池 淳司 烏取大学, 工学部, 助教授 (60262747)
坂田 裕輔 近畿大学, 経済学部, 助教授 (50315389)
山地 秀俊 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (40127410)
|
Keywords | 生活の質 / 持続的成長 / 地域経済 / 公共財 / 選択型実験 / アンケート / CVM / ラボ実験 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き経済政策の基礎理論の研究と,政策の実態を重視した実証と応用の研究を行なう一方,各メンバーがさまざまな形で昨年度と一昨年度の研究成果を公刊し,それぞれの分野の専門家との意見交換によってフィードバックを行なった。経済理論・統計学・計量経済学・実験経済学を方法とすることがこのプロジェクトの一貫した特色であり,その分析のプロセスと結果を研究分担者間でチェックする研究会を咋年度と一昨年度に引き続いて適宜開催した。(ウェブサイトhttp:/www.rieb.kobe-u.ac.jp/irsc/qol/index.htmlにて公開) 具体的に述べると,環境交通・政策評価研究班の沈・坂田・橋本による大阪モノレールの彩都線延伸計画に関する調査と研究では,選択型実験法を用いて大阪モノレールの延伸事業の費用便益分析を行い,この延伸事業は純便益を生み出す可能性が高いことが示唆された。また,地方財政・都市政策研究班の福重は,日本の都市圏データに基づく一人当たり所得の収束に関してマルコフ行列を応用した分析を行った結果,過去の一人当たりの所得の変化からは,非常に長期の期間においても収束する傾向が無い事が明らかとなった。同班の下村は過去に行なった実験データを政策の実行可能性という見地から再検討した結果,完全競争では均衡が不安定な場合にそして独占的競争では均衡が安定な場合も不安定な場合も均衡の達成が実験では保証されないため,政策の有効性は理論と実験の両方で確認すべきであると結論付けた。同班の小池は規模の経済性を考慮した動学的空間的応用一般均衡モデルを用いて,オランダにおける都市部の交通渋滞による影響を社会経済の視点および生活水準の視点から分析し,都市部における渋滞がどのような業種にどのような影響をおよぼすかを明らかにした。
|
Research Products
(11 results)