Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 学 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (50264792)
白田 佳子 芝浦工業大学, 大学院・工学マネジメント研究科, 教授 (80289793)
寺野 隆雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (20227523)
橋本 尚 青山学院大学, 大学院・会計プロフェッション研究科, 教授 (00189490)
八重倉 孝 法政大学, 経営学部, 教授 (90308560)
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Research Abstract |
本研究は,平成14年に改訂された監査基準で導入されたいわゆる企業継続能力監査が実施されるに至ったことを契機としている。監査人はクライアントの継続能力について疑義があると考えた場合には,日本公認会計士協会が公にしている監査基準委員会報告書に規定されている手続をとり必要な監査証拠を入手する。監査人は入手した監査証拠を総合的に評価して最終結論に至るのであるが,企業継続能力にかかる監査証拠は,多元的であり質的であることが多い。そうした監査証拠の総合的な評価は監査人によっても,また監査法人によっても,ばらつくことは,十分に予想されることであるし,またそのようなケースも生じた。われわれは,倒産予測モデルを,特定のデータを用いた数理モデルあるいは人口知能モデルとして開発することを企図したのであるが,その目的とするところは,そのようなモデルを用いれば,同じデータからはだれが操作しても同じ結論を得ることができると考えたからである。ただし倒産予測モデルの示した結論だけを用いてクライアントの継続能力の最終結論を導いてはならないことは明らかである。 本研究の目的は,パフォーマンスの高いモデルを開発することを通して,監査判断の客観性を担保することである。本年度は,企業継続能力監査の実態調査結果と世界各国の同監査制度の概観を示した上で,内外の学会等(日本会計研究学会(関西大学),日本監査研究学会(日本大学),アジア太平洋国際会計学会(ウェリントン),アメリカ会計学会(サンフランシスコ))に積極的に参加し情報収集に努めるとともに,昨年度からの継続として多変量線形判別モデル,比例ハザード・モデルのパフォーマンスの検証,人口知能モデルのプロトタイプ作成とその評価等について進めてきた研究成果を公表した。
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