2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16204008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
栄 伸一郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30201362)
上山 大信 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20304389)
上田 肇一 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (00378960)
寺本 敬 千歳科学技術大学, 光科学部物質光科学科, 講師 (40382543)
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Keywords | 反応拡散系 / パルス解 / スポット解 / 散乱 / 大域分岐 / ヘテロクリニック軌道 |
Research Abstract |
非線形・非平衡系に現れるパルス解やスポット解などの動的空間局在解(粒子解)の間の強い相互作用、とくに散乱現象のダイナミクスの解明を実施した。無限次元における大変形を伴う遷移ダイナミクスを制御している隠れたサドルとしての分水嶺解(scatter)と呼ばれるものが本質的であることを示した。この視点を元に次の成果を得た。 1.動的局在パターンの存在:1次元系では放電現象の定性的モデルである3元反応拡散方程式系、離散Gray-Scottモデルにおいて、2次元系においては3種目の抑制因子を加えた3元Activator-Substrate-Inhibitor系において、ドリフト分岐による安定パルス及びスポット解の存在を数値的に確認した。離散Gray-Scottモデルにおいては、2種類の異なる速度をもつパルス解の存在も確認された。 2.脈動解の散乱現象における位相依存性の解明:1次元Complex Ginzburg-Landau系及び3元Activator-Substrate-Inhibitor系における衝突における位相依存性をより詳しく調べた。とりわけ非対称衝突における位相依存性を数値的に研究した。 3.分水嶺解の大域分岐的挙動:散乱という大変形を伴う非線形ダイナミクスの詳しい過程を解明するために、隠れたコントローラとしての分水嶺解のパラメータ依存性を大域分岐の立場から調べた。複数の分水嶺解が一般に関与すること、それらの間のヘテロクリニック連結、不安定固有値の数と固有関数の形状をAUTO等の追跡ソフトを併用しつつ2次元系を含めて明らかにした。これにより散乱における入出力関係の変化、例えば反射から対消滅へのような変化は軌道が分水嶺解のどの不安定多様体に沿って駆動されるのかという切り替わりが本質的であることが数値的に示された。
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Research Products
(6 results)