2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16204008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
飯間 信 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (90312412)
栄 伸一郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (30201362)
上田 肇一 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (00378960)
寺本 敬 千歳科学技術大学, 光科学部物質光科学科, 講師 (40382543)
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Keywords | 反応拡散系 / パルス解 / スポット解 / 散乱 / 大域分岐 / ヘテロクリニック軌道 |
Research Abstract |
空間的に局在化したパルスやスポット等の散逸系の粒子解が外的な影響により内在しているダイナミック不安定性が如何に外在化されるという現象を議論することが本課題の一貫したテーマである。本年度はとくに伝播する媒質の非一様性に起因するものについて成果を得た。具体的には媒質の一部が周りと異なるとしたとき、そこにディフェクトが生じるが、それに粒子解がぶつかるとき、どのようなダイナミクスが生じるのかを問題とする。モデル方程式としてはガス放電系に現れる3種反応拡散系及びグレイ・スコットモデルを採用した。内在する不安定性としてはドリフト不安定性:定常解から進行波解への遷移、ホップ不安定性:時間周期変動不安定性及びサドル・ノード不安定性:崩壊・分裂の不安定性、の3つが代表的であり、これらの組み合わせにより余次元1から3までの特異点が得られる。それらの特異点の存在は上のモデル方程式で確認された。非一様性としては1点でのJump型、ある区間で別の値をとるBump型、さらに周期的に変動する場合を考えた。得られた粒子解のレスポンスは例えばJump型の場合、通過、反射、分裂、消滅さらに不均一性が生じる不連続点(defect)付近でトラップされるピニング(定在型と時間周期型)があることが判明した。これらは不均一性の強さや粒子解の速度に依存して変化するが、背後で仕分ける黒子として不安定解(scattorとよばれる)の族の存在が示された。大域分岐探索によりこれらの不安定解は粒子解とつながっていることも明らかとなった。空間周期的な不均一性のもとでは粒子解は時空カオス的挙動も有する。これらのより厳密な取り扱いは粒子解を空間の1点における質点のごとくみなして、不均一性はある積分項で表示される有限次元系に帰着する縮約法が有効であることが示された。
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Research Products
(6 results)