2004 Fiscal Year Annual Research Report
超広帯域・超高感度・超広視野ミリ波サブミリ波天体干渉計の開発
Project/Area Number |
16204010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90281964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 宏 国立天文台, 天文機器開発実験センター, 助教授 (90192749)
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Keywords | ミリ波サブミリ波天文学 / 電波天文学 / テラヘルツ観測・通信技術 / ボロメータ / 天体干渉計 / フーリエ分光器 / 銀河団プラズマ物理 / 宇宙マイクロ波背景放射 |
Research Abstract |
我々のグループが基礎開発を行ってきた超広帯域・超高感度・超広視野ミリ波サブミリ波天体干渉計の実用化に向けた開発を実施した。国立天文台三鷹の実験スペースを借りて、この装置を組み込んだ天体観測システムの構築及び性能評価実験を行った。その後、ミリ波サブミリ波観測条件が良く、観測・実験を展開する上でのインフラの整った国立天文台野辺山宇宙電波観測所と研究協定を結び敷地内に我々の観測装置を設置した。この装置は、リモートからの自動観測、外が-20℃になっても装置が凍りつかない事、風速50mでも軸がブレない事を目標に設計・開発した。現在、この装置を用いた天体観測実験を展開する為の立ち上げ作業を行っている。並行して、検出器の開発も行った。まず試験観測用の1.5K駆動ボロメータ検出器の性能評価実験を行い、この検出器の性能向上を実現した。野辺山の気象条件に最適化した0.3K駆動の超高感度ボロメータ検出器の開発を現在進行中である。検出器を0.3Kに冷却する為の冷凍器の開発を国立天文台機器開発実験センターの技官の方の指導の下、東北大学理学部の技術部で開発を行っている。3月末には一号機が完成する予定である。国際会議に於ける成果発表及び海外研究機関との研究交流も活発に行った。その成果の一つとして平成17年10月より我々のグループに所属する留学生を中国から東北大学修士課程に受け入れる事が内定している。 この装置の特徴を最大限に生かして始めて実現が可能なサイエンスを新たに開拓する事を目的とした理論的研究も実施した。昨年度我々が提案した全く新しい銀河団磁場の起源の理論モデルを観測的に検証する方法を幾つか提案した。その中の一つは、広い帯域でのミリ波サブミリ波銀河団観測で初めて検証可能なものであり、我々の装置の特徴を最大限に生かすことができる観測量である。
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Research Products
(4 results)