2007 Fiscal Year Annual Research Report
ALMA時代を見据えた分子原子輝線輻射輸送計算による数値天文学の構築
Project/Area Number |
16204012
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
観山 正見 National Astronomical Observatory of Japan, 台長 (00166191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨阪 幸治 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70183879)
和田 桂一 国立天文台, 理論研究部, 准教授 (30261358)
大向 一行 国立天文台, 理論研究部, 助教 (70390622)
河野 幸太郎 東京大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80321587)
岡 朋治 東京大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10291056)
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Keywords | 数値計算 / 輻射輸送 / 星間ガス |
Research Abstract |
活動銀河核(AGN)周囲のトーラス状分子ガスは、銀河中心の強い活動性を診断する実験場と捉えることができる。銀河中心からの高エネルギー輻射(X線や紫外線)は分子トーラスの科学組成に強く影響を与え、局所的にX線/紫外線支配領域を形成する。化学組成は分子輝線強度比に反映されるので、ミリ波・サブミリ波分子輝線強度比の測定から銀河中心部の活動性を診断する手法が提案されていきた。我々は、現実的な分子トーラスの流体シミュレーションモデルを用いて、3次元非局所的熱平衡(non-LTE)輻射輸送計算を行い、代表的な高密度分子ガストレーサーであるHCN,HCO+分子の回転輝線を調べた。分子トーラス内部の非一様ガス分布を反映しHCN・HCO+輝線分布強度も著しい非一様性を示す。このように複雑な構造を持つ分子トーラスでは、分子輝線強度比は、分子トーラスの熱的構造を反映した複雑な励起状態分布で決定される。輻射輸送計算結果の詳細な準位解析により、密度が臨界密度に近い場合におこる反転準位による増幅が密度と輝線強度の結び付きを難しくすること、また一部の銀河で見られるようなHCN/HCO+比が2以上の輝線比を実現するためには、分子組成比に10倍以上差がある必要性を示した。 この他、ファーストコア段階の観測的性質に関して連続波、輝線の輻射過程を詳細に解析した。。ファーストコアからの輻射の大部分は降着衝撃波後面の非常に薄い層で生成され、輝線輻射は主に水(H20)の中間赤外域で、連続波はテラヘルツ領域で放射されることがわかった。
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Research Products
(21 results)