2004 Fiscal Year Annual Research Report
希土類磁性における四極子、八極子相互作用の実験的検証
Project/Area Number |
16204021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野寺 秀也 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50005972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉本 義夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70111250)
高木 滋 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20154750)
東方 綾 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40300884)
木村 憲彰 東北大学, 極低温科学センター, 助手 (30292311)
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Keywords | 軌道秩序 / 反強四極子相互作用 / 反強磁性相互作用 / 八極子相互作用 / 磁気構造 / 磁気相転移 / DyB_2C_2 / TbB_2C_2 |
Research Abstract |
本研究は、多極子間相互作用をtuningしてそれぞれの役割を明らかにすること、RB_2C_2系の異常に高い四極子転移温度と反強磁性相の異常な磁気構造の由来の解明を目的とする。 典型的な反強四極子秩序、反強磁性秩序の逐次転移が生じるDyB_2C_2に対して、精密な磁場中比熱、磁化過程などの再測定を行い、新たな相転移を発見し、その複雑な磁気相図を決定した。また、磁場下の単結晶中性子回折によって磁気相図に現れる全ての相の磁気構造を決定した。 DyB_2C_2のY希釈によって四極子転移温度は磁気転移温度と同じような割合で降下するがYが40%を越えると四極子転移温度は突然消え、50%Y以上では磁気転移と四極子転移が同時に起きることを見出した。また、単結晶の中性子散乱により、その四極子秩序はc軸方向に強い反強四極子相互作用、c面内の弱い強四極子相互作用からなる擬一次元的相互作用によることが明らかになった。また、^<161>Dyメスバウアー分光から、反強四極子相互作用と反強磁性相互作用が強くfrustrateしていること、その結果、隣接原子へのY置換の形によってDyの内部磁場が増加するという異常が現れることを発見した。 反強磁性体TbB_2C_2は、T_N以下で帯磁率が増加すること、磁場誘起の反強四極子秩序相が磁場に対して異常な安定を示すことなど特異な物性を示す。反強四極子化合物HoB_2C_2との混晶ではTbB_2C_2の反強磁性相とHoB_2C_2の反強四極子相は磁気構造の違いにもかかわらず極めて親和的であること、つまりTbB_2C_2の反強磁性相では潜在的な多極子相互作用が重要な役割を果たしていることが明らかになった。TbB_2C_2のY希釈によって、TbB_2C_2の基底状態、40K上の第1励起状態がともに一重項であることを見出し、その特異な物性はexchange-induced van Vleck型の反強磁性と多極子相互作用の共存、競合に由来するものとの理解に至った。
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Research Products
(6 results)