2006 Fiscal Year Annual Research Report
単結晶薄膜化により物性を制御した強相関系遷移金属酸化物の電子構造の研究
Project/Area Number |
16204024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 淳 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (10209108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾嶋 正治 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (30280928)
溝川 貴司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (90251397)
岡根 哲夫 日本原子力研究所, 放射光科学研究センター, 副主任研究員 (10391278)
寺井 恒太 日本原子力研究所, 放射光科学研究センター, 博士研究員 (00373241)
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Keywords | 遷移金属酸化物 / 超薄膜 / パルスレーザー堆積法 / 光電子分光 / 強磁性 / 強相関 / ナノ構造 |
Research Abstract |
・原子レベルで成長を制御したLa_<1-x>Sr_xMnO_3単結晶薄膜を作製し,in-situで角度分解光電子分光を行うことにより,3次元ペロブスカイト酸化物のバンド構造・フェルミ面の決定した.スペクトル関数において複雑な強度分布とそのホール濃度(x)依存性あら,2つの特徴的なエネルギースケール(電子-電子相互作用と電子-格子相互作用)が存在することを明らかにした. ・LaAlO_3基板上に作製したPr_<1-x>はCa_xMnO_3単結晶薄膜についてin-situ光電子分光を行い,圧縮性の基板圧力により3_x^2-r^2-3y^2-r^2電荷整列の抑制された状態の電子状態を明らかにした.とくに,電荷整列の抑制により,化学ポテンシャルシフトの抑制がなくなり,フェルミ準位付近へのスペクトル強度の移動が起こらなくなることを観測した. ・格子定数の異なる基板上にLa_<0.5>Sr_<0.5>MnO_3単結晶薄膜を作製することにより,2軸圧力下でのLa_<0.5>Sr_<0.5>MnO_3電子状態変化を光電子分光法・軟X線吸収分光により観測することに成功した.Mn内殻の軟X線吸収スペクトルに偏光依存性を見出し,その偏光依存性が基板圧力が圧縮性か膨張性かによらず,またSrTiO_3をキャップしても変化しないことを見出し,その機構を究明中である. ・非極性SrRuO_3/SrTiO_3界面と極性La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3/SrTiO_3界面のバンドダイアグラムを光電子分光により決定した.SrRuO_3/SrTiO_3では理想的なショットキー障壁が形成されるのに対して,La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3/SrTiO_3においては界面ダイポールが生じることを見出した. ・マンガン酸化物Pr_<0.55>(Ca_<1-y>,Sr_y)_<0.45>MnO_3薄膜における光誘起金属・絶縁体転移,光誘起絶縁体-金属転移に伴う電子状態の変化を光電子分光測定によって観察した. ・光電子顕微鏡(PEEM)を用いたLa_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3薄膜の磁区観測を行い,La_<0.6>Sr_<0.4>MnO_3薄膜においてはステップ誘起の180度磁区ドメインが生じることを見出した.
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Research Products
(13 results)