2006 Fiscal Year Annual Research Report
海陸境界帯統合的地震探査による房総半島南部、元禄地震震源断層の解明
Project/Area Number |
16204038
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 谷生 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (50111448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金川 久一 千葉大学, 理学部, 教授 (40185898)
佐藤 利典 千葉大学, 理学部, 教授 (70222015)
宮内 崇裕 千葉大学, 理学部, 教授 (00212241)
津村 紀子 千葉大学, 理学部, 助手 (00272302)
宍倉 正展 産業技術総合研究所, 活断層研究センター, 研究員 (00357188)
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Keywords | 房総半島 / フィリッピン海プレート / 元禄地震 / OAS法 / 海山 / アスペリティ |
Research Abstract |
最終年度としての本年度は、以下の3点について研究を進めた。 1.データ処理の完成 測線が構造報告と斜交している可能性が高いため、新たにOptimum Azimuth Search(OAS)法を開発し、最適重合方向を決めながら処理を行った。その結果、房総半島南端部下のフィリッピン海プレート上面形状ならびにその上位の構造を鮮明にすることに成功した。 2.周辺既存データの再処理 房総半島南部ならびに周辺海域における既存探査データのうちSK78(石油資源開発株式会社)、大大特房総02(文部科学省)を再処理した結果と、房総沖96(防災科学技術研究所)の詳細データを結合して、房総半島南端部とその周辺海域下の3次元的地下構造表示を行った。SK78データの既存処理結果は30年近く前のものであったので、最新手法による再処理によって著しく改善され、本研究結果を周辺域に拡げる上で非常に有効であったことを指摘しておく。 3.総合解釈 2で得られた3次元的地下構造から以下のような重要な事実が判明した。(1)房総半島南端部南方から沈み込むフィリッピン海プレート上面には直径20km以上、周辺から2km以上の比高を持つ高まりが存在する。(2)この高まりを構成する地質体のP波速度は5km/sに近い。伊豆弧東側海底に存在する古第三紀海山列の形状と比較するならば、房総半島南端部下にあるこの地形的高まりは海山であると解釈される。このような海山の存在は全く予想されていなかったものであり、本研究によってはじめて明らかとなったものである。 本研究の目的であった元禄地震震源断層解明との関わりでいうならば、沈み込む海山の存在は地震発生域におけるアスペリティとなる可能性が高い。同震源断層の最有力候補はこの海山の北斜面であろう。
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Research Products
(6 results)