2004 Fiscal Year Annual Research Report
高周期典型元素開殻分子の合成、構造及び機能開発に関する研究
Project/Area Number |
16205008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究所, 教授 (90143164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 雅聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究所, 助教授 (90271858)
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Keywords | 高周期14族元素 / 高周期14族元素多重結合 / 高周期14族元素ラジカル種 / 高周期14族元素カチオン種 / 高周期14族元素アニオン種 |
Research Abstract |
1.電気陽性なジ-tert-ブチルメチルシリル基を置換基とするジシレンの化学的1電子酸化・還元により対応するラジカルカチオン塩、ラジカルアニオン塩を合成し、その構造、電子状態について検討した。その結果、ジシレンラジカルカチオンのsp^2ケイ素原子は共に平面3配位を保持しており、スピンが二つの骨格ケイ素原子上に非局在化した電子構造を持つことを実験的に明らかにした。一方で、ラジカルジシレンアニオンでは一方のsp^2ケイ素原子は平面3配位であるが他方のsp^2ケイ素原子はピラミッド化(非平面化)しており、参照化合物との構造比較、常磁性共鳴スペクトルの詳細な解析、理論計算から、平面3配位ケイ素にはスピンが、ピラミッド化した3配位ケイ素には負電荷が局在化した電子構造を持つことを明らかにした。 2.既に単離、構造解析に成功している安定ケイ素ラジカルを有機高スピン分子へと展開すべく、トポロジー的対称性の観点から用いられているベンゼン環を連結子とするための安定ケイ素ラジカル種の合成を検討した。二つのジ-tert-ブチルメチルシリル基及び一つのアリール基を置換基とするシリルアルカリ金属誘導体の1電子酸化により、アリール基を直接導入したケイ素ラジカル種も安定に合成することに成功した。 3.三つのジ-tert-ブチルメチルシリル基が置換したアルミニウム、ガリウム化合物を合成し、それらの1電子還元で対応するラジカルアニオンを安定に単離することに成功し、分子構造を決定した。
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Research Products
(6 results)