2005 Fiscal Year Annual Research Report
高周期典型元素開殻分子の合成、構造及び機能開発に関する研究
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16205008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関口 章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90143164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 雅聡 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (90271858)
中本 真晃 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助手 (90334044)
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Keywords | 高周期元素 / 開殻分子 / ラジカル / ジシレン / ジシレンジアニオン / 金属置換シリルラジカル / シリレンアニオンラジカル |
Research Abstract |
電気陽性な金属が一つ置換した3配位シリルラジカルは、金属イオンの解離によりケイ素二価化学種であるシリレンのアニオンラジカルを与えることが可能であり、共にスピンを持つ開殻分子である。また、それぞれが2分子結合(会合)することにより1,2-ジメタロジシランや金属架橋シリレンアニオンラジカル2量体、ジシレンジアニオンとなることも可能であり、それらの分子構造、電子状態、相互変換などについて興味深い化合物群である。本研究ではジ-tert-ブチルメチルシリル基を置換基とするジシレンの2電子還元により生じる関連化学種の構造について検討した。 ジ-tert-ブチルメチルシリル置換ジシレンをTHF中、アルカリ金属ナフタレン(MNp;M=Li,Na,K)で2電子還元することにより生じるジシレンジアニオン(または1,2-ジメタロジシラン)を炭化水素溶媒から再結晶することにより、中心のケイ素-ケイ素結合が開裂したアルカリ金属架橋シリレンアニオンラジカル2量体を与える事を見出した。アルカリ金属架橋シリレンアニオンラジカル2量体に対しクラウンエーテルを添加することで、リチウム架橋体、ナトリウム架橋体からは解離したフリーなシリレンアニオンラジカルを、カリウム架橋体からはカリウム置換シリルラジカルを結晶として得ることに成功し、その分子構造を単結晶X線構造解析によって決定した。また、ナトリウムを対カチオンとするフリーなシリレンアニオンラジカルの溶液状態でのEPRスペクトルの解析から、溶媒の金属イオンへの配位力の違いにより金属イオンの結合により金属置換シリルラジカルとの平衡状態として存在することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)