Research Abstract |
本研究はケイ素化合物特有の反応を基礎に,ケイ素-酸素結合の1次、高次構造,物性,また,新規機能発現に重要な立体化学を精密に制御して「ケイ素化合物の特性制御による新規光電機能材料設計指針の確立」を確立することを目的とした。具体的には, (1)ケイ素-酸素結合の1次,3次元構造,物性制御による実装材料,新規機能材料設計指針 ケイ素-酸素結合を形成する脱水素縮合重合の精緻化,3次元規則構造シルゼスキオキサンの選択的合成,蒸着膜の作製,高性能色素分散系の作製,液晶とシロキサンの非相溶性の利用など,新規機能材料設計指針の確立 (2)ケイ素-ケイ素結合の1次構造,共役特性制御による新規機能材料設計指針 (3)立体化学制御による高性能化について検討した。 平成19年度は,主に,(1)の課題につき研究を展開するとともに,本研究の総合的とり纏めを行った。まず,ケージ型ポリシルセスキオキサン(POSS)の生成機構につき,中間体の単離,構成成分のスクランブリングなどの発見を行い,具体的に解明した。この過程で,新規構造POSSの合成を発想し,触媒の検討などを行って実現した。さらに,主鎖にケージ構造POSSを含み,膜形成能を有する新規,耐熱性ポリシロキサンの開発に成功した。本研究の学術的の発基盤であるケイ素化合物の反応や特性は,いずれも代表者により新たに発見されたものである。特に,シランと水の脱水素反応によるケイ素-酸素結合を有するポリマー合成は,独創的で,新規性が高いものである。さらに,POSS構造を用いるホログラフィー材料の高性能化に成功した。
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