2006 Fiscal Year Annual Research Report
階層構造を持つ光誘起物質移動システムの構築とコンベア型描画法の開発
Project/Area Number |
16205019
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 隆広 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (40163084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 修作 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (40362264)
竹岡 敬和 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20303084)
生方 俊 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (00344028)
|
Keywords | 光誘起物質移動 / アゾベンゼン / ブロック共重合体 / 階層構造 / レリーフ形成 / 分子配向 / 水素結合 |
Research Abstract |
当グループで扱っている材料系は、アゾベンゼン高分子と低分子液晶とのハイブリッド材料、およびオリゴエチレンオキシドをランダム共重合させた高分子である。平成18年度はこれらの発展として以下の検討を進めた。 1)アゾベンゼンを有するモノマーとヘキシルメタクリレートとめ共重合体を系統的に合成し、熱物性とレリーフ形成能との相関を得たところ、光照射温度にてトランス体でスメクチック液晶状態をとる物質が適することを確認した。関連して、加温条件下、紫外光照射にて光に膜が集まりレリーフが形成される現象も見出した。 2)ポリスチレンやポリエチレンオキシドと液晶性アゾベンゼン高分子からなるジブロック共重合体において、光誘起レリーフを形成した際のミクロ相分離構造(ナノシリンダー型相分離)の配向等を評価した。ナノシリンダーは膜厚と照射した偏光方向に依存した制御が可能であることがわかった。 3)光誘起物質移動により形成されるレリーフ構造を、光導波路や液晶配向膜などへの応用に対しては、アゾベンゼンは強い光吸収を有するので不利な要因となる。そこで、レリーフ構造形成後にアゾベンゼン部位を容易に取り除く新たなシステムの開発に着手した。具体的にはアゾベンゼン側鎖を水素結合によって高分子と結合させる様式で、レリーフ形成後に膜を化学架橋し、溶媒洗浄にてアゾベンゼンを完全に取り除けることが分かった。 4)ゲル表面のみに水酸基のような化学反応を行わせることのできる官能基を導入するために、乾燥ゲル表面に平成18年度購入の真空チェンバーを用い真空紫外光露光を行なった。この操作により、ゲル材料表面が酸化され、アゾベンゼン誘導体を表面のみに共有結合させうることが分かった。
|
Research Products
(7 results)