2007 Fiscal Year Annual Research Report
モリブデン金属酵素の微細構造と水酸化反応機構・蛋白質揺らぎの解明
Project/Area Number |
16205021
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
西野 武士 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (40094312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 研 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60267143)
松村 智裕 日本医科大学, 医学部, 助教 (20297930)
菊地 浩人 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00224907)
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Keywords | 蛋白質の立体構造に基づく創薬 / 抗痛風薬 / ALS / キサンチンオキシダーゼ / 蛋白質の基準振動計算 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
Mo原子の配位子ジオメトリーの決定、リガンドとの相互作用の解明:前年度までに既にMoのそれぞれの配位子の原子の同定とジオメトリーの決定、Mo周辺の3つの重要なアミノ酸の変異体を基にプリン水酸化反応機構の解明、痛風治療薬として開発した阻害剤(Febxostat,Y-700,FYX-051)が哺乳類酵素および細菌由来の酵素で異なる動態を示す理由を解明するため、哺乳類酵素および細由来の酵素の三次構造の立体座標を基に熱力学的安定度の顕著な差を見出した結果を基に、今年度は立体構造に於けるアミノ酸の配座、水分子を含む全体の動的な揺らぎの重要性について基準振動計算を行い、詳細な検討を行った。その結果、1)その揺らぎの方向性の差があること、2)その原因がモリブデンドメインの溶媒に露出しているペプチドの違いであることなどが解明された。また弱い阻害剤は揺らぎの影響が少なく、強い阻害剤はその影響が大きいことが明らかになった。創薬において強力な立体構造をに基づく阻害剤をデザインする場合、熱力学的解析を供におこなうことが必要であることを示す、極めて重要な知見である。論文発表準備中である。 ノックインマウスを用いた酵素の生理学的意義の解明:さらに脱水素型のみをノックインマウスの作成を引き続き進めている。また脱水素酵素から酸化酵素への変換機能を有するラクトパーオキシダーゼのノックアウトマウスの作成を進めた。またALSモデルのトランスジェニックマウスに対して上述3種の酵素阻害剤およびアロプリノールの投与実験を行った。効果的結果が得られ、ALS治療又は予防の重要な結果であり、論文執筆中である。
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Research Products
(17 results)