2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度光記録システムに用いる不斉有機フォトクロミック色素の創生
Project/Area Number |
16205025
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
横山 泰 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60134897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生方 俊 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00344028)
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 不斉光環化 / 旋光度変化 / 非破壊読み出し / ヘリカル構造 / 6π電子環状反応 / アリリックストレイン |
Research Abstract |
熱により構造が変化せず、光のみによって変化するフォトクロミック化合物は種類が少ないが、その一つのジアリールエテンは、高い耐久性のためにさまざまな応用が可能と言われている。熱で反応しないことを応用するものとして、高密度光記録材料への展開がある。しかし、その際に問題になるのが、いかにして非破壊で記録を読み出すか、である。読み出しの速度を上げるためには、どうしても光を使わざるを得ない。しかし、フォトクロミック化合物の吸収のある波長の光を照射すると、光反応が起き、記録の破壊が起きる。記録を破壊しないためには、吸収のない波長で読み出しを行わなくてはならない。我々は、フォトクロミズムに伴って変化する物性を吸収のない波長の光で読み出すために、旋光度に着目した。ジアリールエテンの片側のアリール基として、不斉炭素を3位に有するナフトチオフェンを2位でヘキサフルオロシクロペンテンに結合し、他方のアリール基としてトリメチルチオフェンを3位でキサフルオロシクロペンテンに結合した化合物は、溶液中紫外光照射によって着色体を生成した。この化合物はまたPMMAフィルム中でもフォトクロミズムを起こした。キラルな化合物を合成したところ、PMMAフィルム中で可逆な旋光度変化を起こした。 フィルム中では、溶液中と比較して変換率が悪いので、これを改善することを考えた。同様の化合物で変換率の悪い化合物を用い、長いシロキサン鎖をつけると、媒体によっては数倍の変換率を示した。例えば、この化合物はPMMA中で2.6%しか変換しないが、PVB中では8.0%、オリゴエチレンジオキシビスメタクリレートのポリマー中では14%の着色体への変換を示した。
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