2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16205026
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村越 敬 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40241301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木口 学 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70313020)
並河 英紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30372262)
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Keywords | 光物性 / 表面・界面物性 / ナノコンタクト / ナノチューブ・フラーレン / 量子細線 |
Research Abstract |
(1)溶液内にて磁場と光の作用により特定の構造を有する単層カーボンナノチューブ(SWNT)を選択分離する技術を確立することを試みた。実験においては、単色光照射により溶液内において特定のSWNTにおいて選択的に光触媒反応を誘起させ金属を析出させ、照射光波長と析出させる金属の種類を選択し、励起するSWNTの直径ならびにSWNTのvan Hove特異点の絶対電位それぞれを任意に選択することが可能となり、この金属析出を選択的に誘起させたSWNTを磁場分離することによって、望む直径と化学的反応性、光学特性を有するSWNTを分離精製することを可能とした。 (2)溶液内において電極間に架橋させた金属単原子鎖ならびに誘起分子の電気伝導度と顕微ラマン分光の同時計測を行い、単一分子ワイヤー形成のダイナミクスを実空間で追跡し、subナノギャップ電極を用い、電気化学絶対電位を制御した状態において異種金属イオン、もしくは吸着置換基を有する分子を系に導入し、ギャップ間電場勾配の制御によりこの微小間隙に単原子ワイヤー、単原子ブリッジ形成を行った。また、安定なブリッジ形成の条件を明確とした後、単一分子ワイヤーの電子伝導特性を評価しつつ、ブリッジが形成している状態下で顕微ラマン分光を同時に行った。伝導度から構造に関する知見が得られ、またラマン分光より分子の電子、振動状態を明らかにする事が出来た。尚、この研究推進のため、オランダ・ライデン大学において分担者:木口学がナノギャップ電極作成のための基本技術を習得した。 (3)金属微小構造障壁内での分子運動性の自在制御を行った。金属微小構造体規則配列基板上で脂質二分子膜を自発展開させる事で、膜内の分子分布状態に変化が観測され、分子分別基板への可能性が予備的な実験により示唆された。この結果は微小構造間隙において脂質膜が圧縮を受けることに起因するが、この現象に対し、蛍光顕微鏡による膜内に添加した蛍光分子の分布状態の観察、顕微ラマン分光法による分子パッキング状態の検討、などを行い分光学的手法及びエネルギー論的考察を行った。
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Research Products
(7 results)