2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16205027
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山中 昭司 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90081314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 秀樹 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教授 (60295467)
犬丸 啓 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80270891)
福岡 宏 広島大学, 大学院工学研究科, 助手 (00284175)
|
Keywords | カゴ状構造 / 層状窒化物 / インターカレーション / 電子ドープ / エキゾチック超伝導 / 窒化物薄膜 |
Research Abstract |
1.C_<60>3次元ポリマーへの電子ドープ カリウムをドープした1次元ポリマーKC_<60>およびリチウムをドープした2次元ポリマーLi_4C_<60>を合成し,15GPa,550-570℃で処理し,金属をドープした3次元ポリマーを合成した。液体ヘリウム温度域での電気伝導の活性化エネルギーは0.1meV以下で,金属伝導体に近いポリマーの合成に成功した。 2.層状窒化フッ化物Zr_5N_5F_6およびHf_5N_5F_6の合成とデインターカレーションによる電子ドープ Zr_5N_5F_6の生成には,酸素の混入が不可欠で,実際の化学組成はZr_5(N_4O)F_6に近いことを明らかにした。アルカリ金属アジ化物を用いて,フッ素を一部デインターカレーションすることにより,Tc=4.5Kの超伝導体に変化することを見いだした。 3.TiNClの化学修飾と超伝導 FeOCl型の層状構造をとるTiNClについて,有機塩基やアルカリ金属のインターカレーションを行い,Tc=4〜17Kの超伝導体が得られることを見出した。電子ドナーの種類やドープ量に応じて,Tcは大きく変化するのが特徴である。超伝導分率が低い超伝導体が含まれるので,その原因を解明すると共に,超伝導特性をNMRによって,詳細に解析する必要がある。 4.窒化物薄膜の合成 CrNは反強磁性体でありT_N〜270Kで単斜晶的な格子歪みを生じる.MgO(001)上に成長したCrN(001)薄膜ではバルクのT_N近傍で構造転移がみられるが,Al_2O_3 c面上のCrN(111)薄膜は構造転移を起こさなかった.つまりミスマッチが大きく格子が緩和した薄膜でも基板の効果で構造転移の有無を制御できた.CrN(111)薄膜の電気伝導にも異常が現れず,この膜は常磁性を保っていると推定された。 5.シリコンクラスレート関連化合物の合成 クラスレート超伝導体Ba_8Si_<46>は超高圧下では,シリコンがよりリッチなBaSi_6に構造転移することを見いだした。La-Si 2元系においても,新たにシリコンリッチな超高圧相LaSi_5を見いだし,Tc=11Kの超伝導体となることを明らかにした。
|
Research Products
(11 results)