2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織性を有する新しい無機-有機ナノ高分子の創製
Project/Area Number |
16205028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90186304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 和則 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60283389)
森川 全章 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10363384)
黒岩 敬太 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70336006)
安藤 玲子 九州大学, 大学院・工学府, 教務員 (60380599)
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Keywords | 自己組織化 / 光異性化 / 分子ワイヤー / 一次元錯体 / トリアゾール |
Research Abstract |
アゾベンゼンを含む脂溶性側鎖を導入したFe(II)トリアゾール錯体を新たに合成した。 溶液中において、アゾベンゼン部分のトランス・シス光異性化を行うと、そのモルフォロジーと集合構造、ならびにFe(II)中心の磁気的挙動が変化することを見いだした。また、分子の空間配置がより固定化された固体中における光異性化についても検討し、1次元鎖の配向を光によって駆動できることを見出した。合成したアゾベンゼン置換トリアゾール錯体はエーテル基を含む長鎖アルキル部分を持つため、固体中においても結晶化せず、構造的自由度が大きい。しかし、長鎖アルキル置換アゾベンゼン部分はメソゲンとして汎用的な構造であるため自発的に配向し、1次元鎖の幅に対応した層状構造をとることが粉末X線回折より明らかとなった。溶液からキャストしたサンプルはμmオーダーでの配向性を持たないが、偏光あるいは非偏光の可視光を照射すると電場の振動方向を避けてアゾベンゼン部位がマクロに配向することが赤外ならびに紫外可視スペクトルより分かった。またサンプル片の形態変化を観察すると、固体の体積は、無配向トランス体>シス体>配向トランス体の順に減少し、可逆に変換することが出来た。このことは、アゾベンゼン部位だけでなく1次元鎖そのものが光電場に対して配向することで密にパッキングできるということを示している。このように、エーテル基を含む長鎖アルキル鎖を1次元遷移錯体の周りに設計することで、溶液中、固体中ともに自由度と集合挙動をチューニングすることができ、さらにその部分に光官能基を導入すれば光変換が可能になることがわかった。1次元遷移金属錯体という電磁気的特性を持つ材料に、光によるモルフォロジーおよび配向変化という空間的な制御方法が適用できることが明らかとなった。
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Research Products
(16 results)