2006 Fiscal Year Annual Research Report
単層・多層カーボンナノチューブ複合系における量子位相コヒーレント制御
Project/Area Number |
16206001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
落合 勇一 千葉大学, 工学部, 教授 (60111366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 明比古 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教授 (70272458)
石橋 幸治 理化学研究所, 極微デバイス工学研究室, 主任研究員 (30211048)
日野 照純 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10105827)
青木 伸之 千葉大学, 工学部, 助手 (60312930)
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Keywords | 単層CNT / 多層CNT / CNT複合系 / 量子位相コヒーレント制御 / SPM加工 / CNTマニピュレーション / ナノデバイス / ファノ効果 |
Research Abstract |
最終年度である平成18年度は、単層CNTと多層CNTを複合させ、ナノスケールのCNT複合系デバイスを構築し、それらの量子伝導特性を詳細に調査した。このために、スキャニング・プローブ顕微鏡(SPM)なる微細加工法を用いて、CNTデバイスを作製した。 CNT(単層や多層)をSiO_2被膜された単結晶シリコン基板上に置いて、原子間力顕微鏡(AFM)によるナノスケールマニピューションにより、望みのデバイス形状・構造のための位置合わせ操作等を行い、従来の電子ビーム露光法による電極設置を併用して、多種のCNTナノデバイスを創製した。電気特性評価の概略としては、細い1本の多層CNTの上に単層CNTのリングや細線が交差する形式でそれらのナノデバイスが構成されていて、金属電極を多層CNTの両端等に設けることにより、低温磁気伝導を観測している。特に磁気伝導において、数T領域での正負の磁気抵抗の観測に成功するとともに、AASやAB効果によると思われる量子伝導現象の観測にも成功した。これらの低温磁気伝導観測の結果を解析することにより、最子伝導における基本パラメータの推定を行い、CNTの電子状態の詳細な情況を知る上での情報が得られ、応用上重要な電気特性を定量的に評価することが出来た。特に、ある複合デバイスにおいては、低温で非常に大きな正の磁気抵抗が観測され、スピンに関連した量子伝導現象である可能性が高く、従来から観測されているファノ効果との関係が注目される。また、ゲート電圧を変化させることにより量子位相コヒーレントの制御を試みることについても追求し、これによりスピンとの関連も強いファノ効果や近藤効果の適用可否についても議論を行うことが出来るであろう。以上、3年間の本研究によりCNT複合系量子デバイスを創製しその応用の基礎となる多くの成果が得られたとともに、近未来の量子コンピュータ素子応用のために必要な基礎的データを得ることが出来た。
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Research Products
(8 results)