Research Abstract |
まず,ヒト胚子のMRマイクロスコープ画像のSNRを向上させるために,静磁場強度9.4T,室温開口径89mmの高磁場超伝導磁石,静磁場を均一化させるための室温マトリックスシムコイル,そしてシムコイル電源などを導入した.さらに,これを用いたMRマイクロスコープを構築するために,400MHzのMRIトランシーバー,300〜500MHzの広帯域AB級NMR用トランスミッター(200W),±30V,±15Aの高速定電流電源,高安定シンセサイザ等を導入した. 制御系としては,工業用ラック型パーソナルコンピュータに,パルスプログラマとして使用するDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)ボード,NMR信号をディジタル化するためのAD変換ボード(14ビット,2チャンネル同時サンプリング)をインストールしたものを使用した.PCのオペレーティングシステムには,Windows98を使用し,パルスプログラマ用ソフトウェア,データ収集用ソフトウェア,画像再構成ソフトウェアは,Windows上のC言語などを用いて開発した. 勾配コイルとしては,導入済みのDoty社のアクティブシールド型勾配コイルを使用し,その中に,ソレノイドコイルを挿入することによりNMR信号送受信のためのRFコイルとした.小口径のソレノイドコイルを用いた場合でも,400MHzの高い周波数で,チューニングと50Ωマッチングを実現することは困難であるため,銅線で巻いたソレノイドを,チップキャパシタで分割した.この結果,直径8mm,4ターンのソレノイドコイルでも,400MHzにて,チューニングと50Ωマッチングを達成することに成功した.
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