2005 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機器のためのトライボコーティング潤滑法を用いた自己修復軸受の開発
Project/Area Number |
16206018
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 康司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 幸志 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10222621)
BOYKO Stoimenov 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60361119)
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Keywords | 固体潤滑 / 低摩擦 / トライボコーティング / マイクロヒータ / その場修復 / 半永久寿命 |
Research Abstract |
宇宙機器のための全く新しい潤滑法として世界で初めて提案している「超高真空中トライボコーティング法(摩擦支援型蒸着膜形成法)を用いた自己修復軸受(摩擦状態の自己診断に基づく自己修復機能を有するマイクロヒータとマイクロセンサーを内蔵した玉軸受)の開発を最終目的とする本研究において,2年目の本年は,トライボコーティングのための超小型蒸着源(マイクロヒータ)の設計,製作,評価とともにピンディスク型トライボコーティング膜の低摩擦発生機構の解明を行った.得られた主要な結果は以下の通りである. 1.インジウムのトライボコーティング潤滑において,ピン上にインジウムとともにクロムを含む移着膜が存在する場合にのみ0.03以下の低摩擦係数が実現される. 2.TEM観察及びEDX分析によって0.03以下の得られるトライボコーティング膜はSiとOを多く含んだアモルファス構造をしており,その中に数ナノメートルサイズのインジウムが分散したナノメートルオーダの複合材料の構造を有している. 3.トライボコーティング膜内に含まれる数ナノメートルオーダのインジウムが溶融することによってトライボコーティング膜表面に極めて薄い潤滑膜が形成され,破断してもすぐに修復されるために低摩擦係数が発現する. 4.低摩擦係数が得られなかったトライボコーティング膜は,クロム炭化物の結晶を多く含んだ構造をしており,被膜材であるインジウムは膜内に偏析していることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)