2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・ミクロスケール多重構造を有する機能性界面による熱流動制御
Project/Area Number |
16206022
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
功刀 資彰 京都大学, 工学研究科, 教授 (40301832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 全作 京都大学, 工学研究科, 講師 (10201451)
佐竹 信一 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (90286667)
芝原 正彦 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (40294045)
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Keywords | 伝津促進 / ナノ・ミクロスケール / 多孔質構造 / 対流 / 熱伝導 / 熱交換器 / 投入電力量 |
Research Abstract |
平成18年度は、昨年度に製作した熱交換伝熱流路(長さ1000cm×幅20cm×高さ1.5cm)の断熱および空気混入防止などを改良し、熱交換実験を実施した。熱交換実験では温度変化および熱交換効率のIndex値は、NPL板がBare板とほぼ同程度を示し、NPL板が伝熱促進効果を発揮していることは現状では確認できなかった。また、垂直流、平行流と流路姿勢によらず伝熱促進効果を確認できなかった。また、市販コードを用いた非圧縮性流体解析の結果も、上述の流体側特性の特段の変化を示すものではなく、熱交換実験結果を支持するものであった。 以上のように、ナノ・ミクロ多孔質層付きの伝熱面における対流伝熱効果は顕著ではなく、ナノ・ミクロ多孔質層が伝熱面に形成されることによる伝熱面改質効果の方が大きいのではないかと言う結論が得られた。そこで、円筒実験装置を改良した伝熱基礎実験を実施した。改良点は、下面の冷却にペルチェ素子を用いた点と正確な投入電力量の測定を可能とした点である。つまり、本実験の目的は、高温壁面からの熱量の正味の引き出し(投入電力量)を計測することである。 本年度の実験のまとめとしては、以下の3点である。 (1)伝熱基礎実験装置に改良を施し、高温壁面からの熱量の正味の引き出しがBare板にくらべナノ多孔質板では約30%以上上昇することを定量的に明らかにした。 (2)昨年度に製作した熱交換伝熱流路の断熱および空気混入防止などを改良し、熱交換実験を実施した。しかし、熱交換実験では温度変化および熱交換効率のIndex値は、NPL板がBare板とほぼ同程度を示し、NPL板が伝熱促進効果を発揮していることは現状では確認できなかった。 (3)以上の相反する2つの実験結果は、本ナノ多孔質壁は等温壁条件において熱流束を大きく引き出すことができるが、流体側の特性である温度境界層の性状を変化するものでないことを示唆しており、今後のメカニズム解明実験を継続実施するための指針が得られた。
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Research Products
(2 results)