Research Abstract |
本研究では,レーザードップラー速度計(以下,LDV)を利用した高度振動計測システムを開発することを目的とした.このシステムは,複数台のLDVにより,振動計測を高精度かつ非接触に遠距離から空間的に高密度に行うことが可能である.さらに,本システムでは,LDVを3台連動させることで,対象物の三次元振動挙動を非接触かつ高密度に計測することが可能となる. まず,単点計測型LDVを利用した三次元振動計測システムを開発した.商用化されている単点計測型LDVを利用した三次元振動計測システムについてまとめ,問題点を述べた.最後に,屋外計測への適用を可能とするために,計測の原理,計測距離,LDVの配置方法について実験的検討を行った. 多点計測型LDVを利用した三次元振動計測システムを開発した.具体的には,スキャニング可能な多点計測型LDVを3台組み合わせた三次元振動計測システムを開発した.LDVの配置方法により,2種類の三次元振動計測手法(平行設置法および任意設置法)を提案し,屋内実験による妥当性の検証および現場計測への適用を行った. 複数のLDVを利用した常時微動計測による実構造物の振動計測システムを開発した.まず,LDVを利用した常時微動計測から動特性を同定する手法についてまとめた.次に,1台の単点計測型LDVと3台の多点計測型LDVを組み合わせた振動計測システムの開発を行った.最後に,構築した振動計測システムを既設鋼鉄道橋の常時微動計測に適用し,複数断面の振動モード形の同定を行った. 複数のLDVを利用した非定常振動計測による実構造物の振動計測システムを開発した.まず,非定常スペクトル解析による動特性の同定手法について述べ,理論の妥当性を数値シミュレーションおよび屋内実験により検証した.最後に,構築した振動計測システムを利用して既設鋼鉄道橋における列車走行時の振動計測を行い,複数断面について固有振動モード形を同定した.
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