2006 Fiscal Year Annual Research Report
火災加熱を受ける鋼骨組のシステムとしての構造安定性と火災時リダンダンシー
Project/Area Number |
16206055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 弘之 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (20114093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 大吾郎 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (00262121)
安倍 武雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (10143661)
上杉 英樹 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (00009268)
岡部 猛 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (40117338)
平島 岳夫 千葉大学, 工学部, 助教授 (20334170)
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Keywords | 高温構造安定 / リダンダンシー / 進行性崩壊 / ASI-Gauss法 / 崩落模擬実験システム / 鋼柱の高温座屈後挙動 / 高温高力ボルト継手 / 鋼の高温引張試験 |
Research Abstract |
前年度からの研究を継続し、理論・解析研究の展開、高温構造試験および骨組モデル崩壊実験の実施に取り組んだ。各機関で担当している実験研究はほぼ完了の段階に達している。理論・解析研究では、我が国の鋼架構の火災時リダンダンシーをより具体的に検討すべく、対象とする高温崩壊モードの詳細化、採取実験結果の解析研究への反映、進行性崩壊への発展如何の問題の検討、現行構造設計が架構の耐火性能に如何に関わるかの検討に取り組んだ。機関ごとの実績をまとめると次の通りである。 1.筑波大学では鋼架構の火災時リダンダンシーの評価研究、および進行性崩壊問題の解明に取り組んだ。前者に対しては、耐震設計を施される鋼構造物を対象とし、架構の層数・ベースシアー係数・火災発生個所・各種高温時崩壊モードに着目して、如何なる火災時リダンダンシーが認められ、如何なる変形や崩壊温度が得られ、終局時には如何なる形の進行性崩壊に陥るかの研究を行った。後者に対しては、開発済みの骨組構造実験システムによる数種類の崩壊実験、およびこれを模擬するASI-Gauss法による崩壊解析を行い、実験結果の定量評価を試み、併せて、大規模骨組構造物の衝突崩壊解析・火災崩落解析・進行性崩壊解析を行った。 2.熊本大学では、前年度実施したH形断面柱の高温曲げ座屈実験を追補すべく、同断面鋼短柱の高温圧縮試験(stub-column test)を、常温〜700℃の一定温度下で、2種の幅厚比を持つ短柱について行った。解析的検討を併せて行い、加熱される柱材の局部座屈や高温クリープによる耐力低下、および溶接組立による耐力上昇を研究した。 3.千葉大学では、高力ボルト継手の高温曲げ実験を実施し、常温〜700℃における高力ボルト継手の曲げ変形能力に関するデータを蓄積し、熱せられたボルトが容易には破断しないという性状が継手の曲げ変形性能を向上させていることを明らかにした。併せて、これのもたらす架構の耐火性能向上を明らかにすべく、継手を持つ架構の高温骨組解析開発を行った。 4.東京工業大学では、前年度から行っている構造用鋼材SS400、SN400BおよびSN490Bの高温加熱中の引張試験を継続実施し、大方を完了した。材の諸力学物性値、および応力〜歪関係を取得・整理し、熊本大学と千葉大学の分担者と連係を取りつつ、鋼種毎の汎用構成式作成に取り組んだ。
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