2006 Fiscal Year Annual Research Report
無機質超高速プロトン伝導体を用いた燃料電池・電気化学デバイスの開発
Project/Area Number |
16206069
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
野上 正行 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90198573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 敏宏 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (30233729)
早川 知克 名古屋工学大学, 大学院工学研究科, 助手 (00293746)
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Keywords | プロトン伝導 / ガラス / ゾルゲル / 燃料電池 / 電解質 / センサー |
Research Abstract |
燃料電池を初めとする水素エネルギー関連デバイスへの応用を考え、150℃からマイナス温度(-40℃)域までで高いプロトン伝導性を示すガラスおよび薄膜の作製を試み、燃料電池やセンサーの電解質への応用に関する検討を行った。 1.ゾルゲル法を用いてP_2O_5-SiO_2系およびPWA(PMA)-P_2O_5-SiO_2系ガラスを作製した。これらのガラスは5nmより小さい細孔を有した多孔体であり、-40℃より高いプロトン電導度を示し、100℃での電導度は100mS/cmであったガラスは150℃でも優れた耐久性を示し、また、細孔の大きさが小さいために、細孔内に吸着した水は、周りの湿度が低くなっても離脱が抑えられることから、低湿度側でも高い電導度を示すことが分かった。 2.界面活性剤を細孔構造のテンプレートに用いたガラス薄膜についても作製を検討した。CTAB系の界面活性剤を用いることで、細孔径が小さく、かつ方向性を有した細孔組織が得られ、500nm程度の薄膜で、高い電導度を示すことがわかった。 3.電解質にして燃料電池を組み立て、その電池特性を測定した。白金触媒を担持した電極を付け、水素-酸素を流して出力値を測定したところ、30℃で相対湿度30%の条件下で、10mW/cm^2程度の出力を取り出すことができた。作製したガラスを遊星ボールミルで粉砕し1μm程度の粉末にした。プレスして電解質膜を成形し、更に電極をプレスして電池にしたものでは、70mW/cm^2の高い出力値を取り出すことができた。 4.プロトン伝導性薄膜のセンサーへの応用についても検討した。基板上に酸化マンガン系の薄膜を付け、その上に500nm程度のガラス薄膜をデイップコーテイングし加熱した後、膜表面に電極を付けて、センサーとした。水素濃度を数%までの範囲で変えたときの膜に発生する起電力を測定したところ、速い応答速度で、水素濃度変化に対応しているのが確認でき、水素センサーとして応用できることを示した。
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Research Products
(15 results)