2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁気特性を用いた鋼構造物のき裂損傷検出システムの開発
Project/Area Number |
16206084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大沢 直樹 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (90252585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 聖史 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (50183554)
田中 義照 海上技術安全研究所, 環境エネルギー研究領域, 構造安全性研究グループ長 (40373419)
澤村 淳司 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (90359670)
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Keywords | 非破壊検査 / 磁気特性 / き裂検出 / 数値シミュレーション / 溶接継手 |
Research Abstract |
稼働中の鋼構造物・機器を安全に使用する上で、不可欠な健全性評価に適用可能な、磁気特性を用いた非破壊検査による、き裂損傷検出システムの開発を目的として研究を行い以下の成果を得た。 1)き裂検出に有効な磁気特性パラメータを明らかにするため、隅肉溶接継手部に表面き裂を導入したモデルについて、き裂深さ、励磁周波数、板厚を変化させて磁気特性の数値シミュレーションを行った。提案した磁気特性パラメータBm/BOを用いることによって、ニヤサイドのき裂では深さが3mm程度以上であれば、き裂の検出が可能であり、励磁周波数及び板厚の影響が少ない。ファーサイドのき裂では、励磁周波数が低いほど浅いき裂の検出が可能であるが、板厚の影響が大きいことを明らかにした。 2)き裂損傷と磁気特性の相関を検討し、き裂形状同定のためのデータベースの構築のためには、き裂とセンサの相対位置による磁気特性パラメータの変化及び、対象部材の形状寸法による磁気特性の変化が重要であることを明らかにし、これに沿ったデータベース構築法を提案した。 3)実構造物への適用を目指し、突合せ溶接継手、隅肉溶接継手及び角回し溶接継手を用いて、き裂伝播試験を行い応力による磁気特性変化とき裂損傷による磁気特性変化を調査した。開発したき裂損傷検出システムは平板だけでなく各種の形状の溶接継手にも適用可能である。加えて、裏側に存在するき裂の検出も可能であること、検査時の負荷応力が変化してもき裂の検出が可能であることを明らかにした。 4)本研究成果から「非破壊検査装置及び非破壊検査方法」として特許出願(特願2006-337383)を行った。
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Research Products
(3 results)