2006 Fiscal Year Annual Research Report
形態形成因子レセプターのリガンド認識機構-その多様性と普遍性の構造的基盤-
Project/Area Number |
16207006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 淳一 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90212000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 憲治 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20342751)
禾 晃和 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40379102)
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Keywords | 形態形成因子 / 受容体 / リガンド / X線結晶構造解析 / 電子顕微鏡イメージング / 神経発生 / リーリン / LPR6 |
Research Abstract |
本研究は、形態形成因子リガンドのレセプターによる認識に焦点をあて、まず相互作用の基本単位を蛋白質化学的に調べ上げ、そして最終的にはもっとも物理化学的にsolidな情報である立体構造を決定することで、これら生物学的に重要な現象の化学的記述を目指すものである。具体的には、形態形成因子リガンドとレセプターのペアを多数取り上げて、(1)リガンド側のレセプター結合部位(すなわち最小活性フラグメント)の特定、(2)レセプター側のリガンド結合部位の特定、(3)細胞上での複合体形成とシグナリングの際の各分子の挙動の解析、そして(4)複合体のX線結晶解析による構造決定という所まで、4年間の研究期間で目指すものである。 3年度目である本年度は、前年度までに進めたReelinの第3リピートの構造解析を完了させ、論文発表した(Nogi et al, EMBO J)。また、Reelinの受容体結合に必要な最小活性単位を第5-第6リピート領域に特定し、同フラグメントの結晶化と、受容体結合に必須なLys残基の同定にも成功した。この成果は現在論文投稿中である。さらに、受容体側の最小フラグメントであるLA1モジュールの精製を行い、Reelinフラグメントとの複合体の結晶化、構造決定にも成功している。シグナル伝達機構の解明に関しては、全長Reelinと活性フラグメントについてマウスニューロンを使ったDab1リン酸化実験を行い、上記のLys残基がシグナル伝達においても重要なこと、およびReelinの多量体化が効率のよいシグナリングに必須であることを明らかにした。以上の様に、3年目にして目的とした成果をほぼ達成し、最終年度でこれらをまとめることが十分に可能になった。 Reelin以外の形態形成因子/受容体については、Wntとその受容体LRP6について発現実験をすすめ、現在までにLRP6細胞外ドメインの精製を終え、またそのモノクローナル抗体の作製(世界でまだ報告はない)に成功した。
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Research Products
(6 results)