2006 Fiscal Year Annual Research Report
内在性遺伝子発現制御に関わるRNAi関連分子の機能解析
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16207011
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩見 美喜子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20322745)
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Keywords | RNAi / small RNA / RNA silencing / Argonaute / ショウジョウバエ / FMR1 / Slicer / 生殖細胞 |
Research Abstract |
申請者は、精神遅滞を最も高頻度に伴う遺伝性ヒト疾患である脆弱X症候群原因遺伝子FMR1の機能解析を続けてきた。その過程において、FMR1遺伝子が翻訳調節に関与するRNA結合蛋白質をコードすること、さらには、ショウジョウバエFMR1相同蛋白質がRNAi活性中心であるRIsc複合体の構成因子Argonauteと結合する事を明らかにした。FMR1遺伝子の機能を探索する上で、RNAi経路に関する新知見を得ることは必須であると考え、RNAi機構分子メカニズムの解析を進めた。今年度は主に、生殖細胞特異的に発現するArgonauteの機能に関して研究をすすめ、そのメンバーであるPiwi、Aub、AGO3がrasiRNAという一群のsmall RNAと結合する事によって転移性レトロトランスポゾンの遺伝子発現を抑制すること、その抑制を通してレトロトランスポゾン転写産物が異常に増え、ゲノムに不必要に侵入してしまうことを防ぐ、つまり「ゲノムの品質管理機構」に機能的寄与することを明らかにした(Saito et al. Genes Dev 2006,Gunawardane et al. Science 2007)。これらArgonauteのもつ機能が生殖細胞の維持・形成に必須であると考えられた。また、これらの研究を通してrasiRNA生合成経路に関するモデルも提唱した(Gunawardane et al. 2007)。RNAi機構のin vitroにおける再構築を目的としたRNAi必須因子の網羅的同定は現在、進行中である。miRNA経路においてはmiRNA duplexが1本鎖になる必要があるが、ショウジョウバエの場合、ATP依存的に起こる事を示した。この因子の同定は現在進行中である。
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Research Products
(4 results)