2006 Fiscal Year Annual Research Report
部位別特性を考慮した体温調節モデルによる温熱環境適応能に関する研究
Project/Area Number |
16207017
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横山 真太郎 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (90002279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
川初 清典 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (80026822)
長野 克則 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (80208032)
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Keywords | 環境適応能 / 温熱環境 / 体温調節モデル / 部位別特性 / 個体差対応 / 形態的変容 / 機能的変容 / 生体内温度予測プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトを質点系に扱いかつ定常熱平衡式に基礎を置く方式から脱却した、部位別特性を考慮した体温調節モデルに基づく生体内温度予測プログラムを温熱環境適応能解明が可能なレベルに向上させることである。それによって、変動する温熱環境に対して、人類の形態的変容と機能的変容との複合化によって適応してきたメカニズムを定量的に明確化し、併せて温熱環境適用限界などの制約条件も明らかにすることである。 そのためにも今年度は以下の項目を検討した。 1)不均一かつ非定常な温熱環境にも適用可能な生体内温度予測モデルを開発し、これまで成人男性を中心としてその精度上昇を向上させてきた。本年度は加齢による機能変化が予想される発汗機能と局所寒冷血管反応に着目し、高齢者および女性にも適用可能な予測プログラムの精度向上を目指した。 2)次に、環境との熱授受量同定に関する熱伝導、対流熱伝達、放流熱伝達、蒸発に伴う熱伝達、呼吸に伴う熱伝達の精度向上を図ると共に、水中での熱授受問題、寒冷環境下の低体温問題、発汗機能の季節差の問題を重点的に検討した。 3)さらに、随意的な身体活動変化は自律性体温調節機能の活動水準の変化と密接に関連する。その意味で、適応能の解析には部位別産熱量の定量データが重要と考え、局所筋エネルギー代謝量の各種作業条件における推定量の精度向上を図った。 4)温湿度ならびに循環流量可変の人工気象室および実験水槽において、多元生体機能計測システムを駆使して、女性ならびに高齢者を含む個体差対応を念頭に体温調節機能特性についての生理学的実験をおこなった。それらの測定資料を基盤に部位別特性を考慮した体温調節モデルに基づく生体内温度予測プログラムの体温調節機構部の精度向上と計算効率化を目指した。
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Research Products
(6 results)