2005 Fiscal Year Annual Research Report
心理社会的ストレス度ストレス耐性低下度と機能的潜在性低下に関する生理人類学的研究
Project/Area Number |
16207018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 和彦 九州大学, 健康科学センター, 教授 (60183688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 正洋 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (00248593)
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Keywords | 心理社会的ストレス / ストレス耐性 / 機能的潜在性 / 生理人類学 / ストレス・マネジメント / 肥満 / 糖尿病 |
Research Abstract |
近年、肥満が大きな問題となっている。日本人大学生を対象に、主観的身長・体重比とストレス度、ストレス耐性低下度との関係を検討した。その結果、"身長に対して体重は大体釣り合っている"と思っている者は、そうでない者よりストレス度が低く、ライフスタイルが良好であることが判明した。ヒトの主観的身長・体重比はストレス度に依存して変化する可能性のあることが示唆された。 日本人女子大学生の月経前症候群、月経不順、月経痛とストレスの関係性を検討した。その結果、女子大学生のストレス度が高くなると、月経前症候群、月経不順の学生が増える傾向を見いだした。これは、ストレスと月経前症候群、月経不順の間に一定の関係性があることを示唆している。 日本人大学生を対象に、ストレスと運動の関係性を調査した。その結果、"週に2回汗をかく程度の運動をしている"学生は、そうでない学生より、ストレス度が低いことを見いだした。重回帰分析により、学生のストレス度に影響するライフスタイルの因子を、男女別に見いだした。 中規模病院で行われている人間ドックと連携し、我々の開発した調査票を用いて公立学校教職員のストレス度とストレス耐性低下度を調査した。調査参加者約1200人のBMIや血圧、血液検査データなどとストレス度とストレス耐性低下度をリンクさせ、ストレスと検診データの関係性を明らかにすることを試みた。その結果、男性ではストレス度が高くなると、体脂肪率が増加し、HbAlc値が上昇する傾向を認めた。女性ではストレス度が高くなると中性脂肪が増える傾向を認めた。男性ではストレス耐性低下度が高くなると体脂肪率が増え、女性では体重、BMI、体脂肪率が高くなる傾向を見いだした。これらの結果は、ストレスとストレス耐性が肥満・糖尿病の発症に関係する因子である可能性を示唆する。
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