2007 Fiscal Year Annual Research Report
心理社会的ストレス度ストレス耐性低下度と機能的潜在性低下に関する生理人類学的研究
Project/Area Number |
16207018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 和彦 Kyushu University, 健康科学センター, 教授 (60183688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 正洋 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (00248593)
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Keywords | 心理社会的ストレス / ストレス耐性 / IMPS / IMST / 眼圧 / ストレス構造 / ストレス・マネジメント / 肥満 |
Research Abstract |
公立学校教職員13万6千人のうち、2004年11月〜2005年3月に入院ドック健診を受けた1941人を対象に、IMPSを用いてストレス度(IMPSスコア)を測り、心理社会的ストレスと眼圧の関係性を調べた。1941人中、1499人がIMPSに回答し、眼圧降下薬使用中の者38人を除く1461人を解析した。男性883人の平均年齢は48.1歳、女性578人の平均年齢は48.1歳であった。女性ではIMPSスコアが高くなると眼圧があがる傾向があったが、男性ではこの関係性を認めなかった。この結果は、心理社会的ストレスと眼圧の間に正の関係性がある可能性を示唆するが、この機序として、心理社会的ストレスによる視床下部-下垂体-副腎系の乱れが考えられる。ストレスと視床下部-下垂体-副腎系の関係性には性差のあることが知られており、これがストレスと眼圧の関係性の差異として表れていることが推察される。 日本人と外国人のストレス構造の差を明らかにするため、日本とコソボの大学生を対象に、IMPSとIMSTを用いてストレス度とストレス耐性低下度を調べた。日本人大学生360人(男子212人、女子148人)の平均年齢は19.0歳、コソボの大学生104人(男子62人、女子42人)の平均年齢は22.2歳であった。日本人大学生はコソボの大学生より、ストレス度が非常に高く、コソボの大学生は日本人大学生より、ストレス耐性が低かった。コソボの大学生ではストレス度とBMIに弱い負の相関関係を認めたが、日本人大学生ではこの関係性を認めなかった。日本人大学生では女子は男子よりストレス度が高かったが、コソボの大学生ではストレス度に性差を認めなかった。IMPSの因子分析では、日本人大学生とコソボの大学生の間にストレスの構造的差異が見いだされた。この結果は、文化の違いにより心理社会的ストレスが構造的差異を示す可能性を示唆する。
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Research Products
(5 results)