2006 Fiscal Year Annual Research Report
鱗翅目昆虫の性決定の分子機構-特に性染色体によるdsx遺伝子のスプライシング制御
Project/Area Number |
16208006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 透 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 広明 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 助手 (80222660)
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Keywords | doublesex / W染色体 / 性特異的スプライシング / 染色体異変 / 限性品種 / SAGE / DNAメチル化 / カイコとクワコ |
Research Abstract |
1.カイコおよびクワコの性染色体の構造解析 本研究では,カイコの雌決定はW染色体のRikishi領域に支配されることを明らかにしてきた。クワコのfosmidライブラリーを用いてクワコのW染色体のRikishi領域のうち,z1(ジンクフィンガーをコードする遺伝子)の近傍をカイコのそれと比較したところ、ごく一部の配列を除いてほとんど相同性が認められなかった。より広範囲の比較により相同領域を探索することが必要である。 2.Bmdsxの性特異的スプライシング調節機構の解明 Bmdsxの第4エクソンの5'端領域に位置するシスエレメント(CE1)に結合する何らかの核内因子がBmdsx pre-mRNAのオス型スプライシングを制御する。さらに、オスの培養細胞の核抽出物を用いたUV-cross linkingを行うと、分子量80kDaと40kDa(p40)の2種類のタンパク質がCE1に特異的に結合した。これらのタンパク質のcDNAの塩基配列等を決定し,いずれも常染色体にコードされる遺伝子であると分かった。オスの培養細胞でRNAiを行った結果、p40の発現を抑制した場合にのみBmdsxのスプライシングパターンがオス型からメス型へと転換したので、p40がBmdsxの性特異的スプライシング制御因子である可能性が高い。 3.カイコの生殖細胞の性決定機構の解析 カイコ蛹期卵巣のシストサイトのステージ1〜3と2〜3の各段階より得たRNAを用い、3'SAGE解析を実施した。ステージ1へ偏って現れる遺伝子としては、ショウジョウバエのabstraktやAlyの相同遺伝子があった。また、ステージ1〜3に共通して最も多量に含まれていたのは868ntの新規な非コードRNAであった。このncRNAの部分配列を用いてdsRNAを作り、蛹の体腔中に注射したところ、一部の卵胞で形態的な異常が観察された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Isolation and characterization of sex chromosome rearrangements generating male muscle dystrophy and female abnormal oogenesis in the silkworm, Bombyx mori.2007
Author(s)
Tsuguru Fujii, Takeshi Yokoyama, Osamu Ninagi, Kowa Kakehashi, Yoshiaki Obara, Mitsuru Nenoi, Takahiro Ishikawa, Kazuei Mita, Toru Shimada, Hiroaki Abe
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Journal Title
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
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