2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16208009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 猛 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (10174038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山篠 貴史 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00314005)
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Keywords | 情報伝達 / リン酸リレー / 酵母 / カビ / 高等植物 / 環境応答 |
Research Abstract |
(1)大腸菌の環境応答リン酸リレー系のネットワーク解析:(水野が担当) 申請者らは、長年にわたり大腸菌の環境応答・遺伝子発現制御に関してリン酸リレー系を中心に多くの研究を積み重ねてきた。この間、「センサーHis-キナーゼの発見」や「新規HPt因子と多段階リン酸リレー系の発見」など、この分野の発展に貢献してきた。また、ゲノム情報に基づき、大腸菌が30系統以上に及ぶリン酸リレー情報伝達網を装備していることを明らかにしてきた。本年度は、これら個別の研究を統合してバクテリアの細胞生理学の観点から体系化を試みた。 (2)真核微生物におけるリン酸リレー系と環境応答機構の解析:(水野が担当) 申請者らは、既に分裂酵母における多段階リン酸リレー系が減数分裂(胞子形成)制御に深く関わっていることを示唆する結果を得ている。事実、制御RR因子の欠損株は不稔性である。一方、減数分裂が真核生物型情報伝達系で制御されていることはよく解析されている。そこで、(原核生物型リン酸リレー系→真核生物型リン酸カスケード)間のクロストークに関する一般的概念を確立するのに分裂酵母の系は最適と思われる。従って、このリン酸リレー系を主に分子遺伝学的アプローチで解析した、加えて同じ真核微生物である糸状菌(カビ)に関する研究も開始した。 (3)シロイヌナズナの植物ホルモン応答におけるリン酸リレー系の重要性の解析:(山篠が担当) リン酸リレー系により制御されるサイトカイニン(植物ホルモン)応答系に焦点を絞り、特にマイクロアレイを用いた遺伝子発現に関する網羅的な解析を行った。その結果、リン酸リレー情報伝達系により支配される多くの下流遺伝子を同定することができた。
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Research Products
(6 results)